読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

小さな緑のコ

「わあ!」 真夜中に、台所のほうで主人が小さく叫んだ。 「どうしたの・・?」 何かただならない様子だけど、寝ていた私は眠くて目がひらかない。 「カエルが、部屋に入ってきた」 「え!!」 一気に目がさめた。おそるおそる台所に近づく。 「すごく小さい…

トム・ソーヤ

起きたらお昼をまわっていた。両手をあげて寝ていたので、完全にしびれていた。ぷらぷらと振ってほぐしながら、今日やることについて考える。それからご飯を食べ、用事をテキパキとすませて、いい調子だった。(やっぱり良く寝ると、いいなあ。今日は、いい…

気配 

鳥の声で目が覚めた。少しして、蝉の低い羽音が楽器みたいに鳴りはじめる。お水をコップに一杯飲んで、それからコーヒーを淹れに立ちあがる。コポコポと、ロボットが甘えて喉をならすような音がする。ロボットが甘えるのなら可愛いだろうな。。そういえばさ…

歯医者と夕陽とプリンター

ご用事が続いて、東京にいったり帰ったり、お客さまが海外から次々見えてご案内したり、台風がきたりしていろいろだったのだけど、今日は電話がたくさんあって、それで予定が大幅に変わった。 喉がかわいていた。(よし、もう今日はおしまい。)携帯電話の上…

あらしの日に

外では風がうなりをあげている。完全にしめてしまっては息苦しいから、ほんのちょっと、開けた窓の隙間から鋭い風がカーテンを高くめくり上げる。窓ぎわでは、避難させた花たちが並んで、ちょっと温室みたいなの。 台風で急きょ、お休みができた。ひととおり…

夏休みの学校

art

夏は、なんだか山が大きく見える気がする。 8月になって、今しかできないと突然思い、学校にいくことにした。「行っておいでよ」と主人が言ってくれたことに甘えて、芸術大学のサマースクールに参加したの。電車とバスを乗り継いで遠出をするのは小さな旅の…

3回目

それは、歯医者さんに意を決して行ったけれど、拍子抜けするくらいにすぐに終わってしまった(しかも、全然痛く無かった)から思いついたことだった。お日さまはまだ明るく、先週ほど暑くはなく、気持ちいい風が吹いていた。私は自転車のペダルをぐんぐん踏…

大きな金色の船

「あれ、なんだろう?」 御池の真ん中に大きな金色の船が見えた。周りにはずらりと人がいて、大きな船はその中でゆっくりゆっくり向きを変えているところだった。 「あれ、大船鉾だよ。ニュースで見た。150年ぶりなんだよね。」 「思ってたよりすごい迫力…

バス

個展の会期をちょうど半分過ぎてようやく、うちの裏から出ているバスに乗るとそのまま一本で、会場近くまで行けることを知った。それからは嬉しくなって、ここのところ3日ほど続けてバスに乗って会場まで通っている。 今朝は雨だった。地面の境目が跳ねる水…

悪い癖

出掛ける前になると、なんとなく布巾に手が伸びてあちらこちらを拭きはじめる。シャワーを浴びなくちゃいけない時間になると、移動中に読む本を探しに本棚の前にすわりこむ。テストの前日になっても気が向かなくて、そうだ暗記に集中するための好きな曲集を…

電車

(すっかり遅くなっちゃった。いそげ、いそげ・・。) 外にでたらすっかり暗い。もうすぐ8時になろうとしていた。あーあ、帰りに寄ろうと思ってたいつものスーパーがもうしまってしまう。でもお野菜も牛乳ももうないし・・と思って、いつもと違う駅のお店に…

おそなえ

結婚してから6年目になるけれど、わたしたちは朝ご飯を食べない。それはどうしてかというと朝があんまり早くないのと、二人とも起きてすぐお腹がうごくわけではないからで、起きたら主人はコーヒー、私はたっぷり牛乳をいれたカフェオレか紅茶を飲んで、お…

おにぎり

空がふっと重たくなって、雨が降り出した。友人の車に乗せてもらって帰りみち、家に着いたらすぐに洗濯ものをいれなくちゃ。晩ご飯は何にしようかな。。そんなことをぼうっと考えていたら、友人が煙草を買いにお店に寄りたいという。もちろん賛成して、私は…

かわいい棺

東京に行った日は大雨でした。電車が遅れたり、うんと久しぶりの満員電車でとってもくたびれたりした。でも、親族の行事があったり、沢山の友人と会えたり、美味しいものを食べたりして、それはそれで楽しい時間を過ごしたの。でも実は、そのあいだずーっと…

それでも時間はすぎていく

たくさん眠って、起きたらお昼をまわっていた。まだたりないけれど、もう12時間も夢の中にいたし、そろそろ起きなくちゃ恥ずかしい気がした。 「起きる?」 主人が読んでいた本に栞をはさんだ。 「・・うん、おはよ。」 「はい、おはよう」 差し出されたコ…

気持ちのいい土曜日

少し遠出をする土曜日。長いこと電車に乗るけれど、駅を降りたら目的地はもう見えている。ピカピカの大きな原っぱを左手に、ずーっと道なりに歩いていく。この空き地には、端に大きな林檎の木がサワサワ揺れている。草の匂いがして、秋には赤や青の実がなっ…

いのちがね

日が落ちるのが大分遅くなったから、絵を描くのに夢中で気付かなかった。あと5分で出なくちゃ間に合わない。少し考えて、「駅まで自転車でとっても急げば」15分後に出ても間に合う、という結論に達した。それから指のさきまで緑や水色になっている手をち…

牛すじの黄金煮

傘をさして、おみせにむかいました。久しぶりのお休みだしお家にいたいな、と思ったけれど冷蔵庫には何にもない。ぐずぐずしていたら雨が降ってきた。玄関でちょっと迷ったけれど、帽子をかぶって小走りで階段をおりました。 色んなことが重なる時期はあるも…

コンタクトレンズ

「コンタクトを受け取りにいったら、何種類かずつ新製品が入っているセットがプレゼントでついてたの。それで、おでかけするのに試しにそれを持っていったら、いつもとあんまり違ってびっくりしたの。」 「どう違うの?」 「まず一つ目はね、厚さが5ミリく…

自転車

初めて自転車に乗ったのは、4年生になる春でした。3歳下の弟が小学校にあがるときに練習することになり、私も一緒についていくことになったのです。今もあるのかしら、代々木公園の奥には森があって、自転車を借りる場所があるのです。弟は最初から補助無…

夜ふかし

ゆうべ遅くまでお喋りしていたし、雨の日は眠たい。主人がお仕事にでかけてから、そうだと思ってパソコンを開いた。散歩をしていて思わずとった写真はどんどんいっぱいになって、私のおもちゃカメラ(だって、色んな人のカメラといったらあまりに立派なのだ…

ひさしぶりの散歩

おでこを蚊にさされたのが、気になってしかたない。ぷくっとふくれて、とってもかゆい。もう、窓をあけるときに気をつけなくちゃいけない時期になったのね。そうだ、きのう駅に向かう途中見かけた八重桜、まだ咲いているかな。丸くもこもことして、まるで鞠…

夜の六角堂

これは、金曜の夜のこと。お仕事が終わって、主人と友人との待ち合わせの場所にゆっくり向かっていました。月が柔らかくぼけているのを追うようにして歩いていたら、通りの向こうに何やら人が集まっている。(何かしら・・・)いつもなら人ごみは避けるのだ…

私の知らない夕方

日が落ちるのがゆっくりになってきた。淡い月の輪郭がだんだんはっきりしていくのを見ながら、夕暮れの町を歩いていました。踏み切りで電車が通るのを待っていたとき、目の端で何かが飛んでいるのに気付いた。 思わず足をとめて川辺を見た。最初は大きな蝶々…

シャーリー・テンプル

お酒がぜんぜん飲めない私だけど、ひとつだけ好きなカクテルがある。何でもつくれる(と、私は信じている)主人にそれを伝えて何とか作ってもらいたくて、さっき、初めてそれを検索してみた。 そうしたらなんと、そのカクテルの名前のもとになった女性がつい…

よわよわ桜

寝込んでいるのをミイラみたい、なんて言っていたら、なんと主人はインフルエンザだった。三日目くらいで、そろそろ起きればいいのにと内心思っていたことの、ばちが当たったに違いない。気付いた時には私もちゃんとそれにかかって、すごくお腹が気持ち悪く…

春の手紙

淡い藍色の帳が少しずつ深さを増していくのを見ていた。部屋の闇が濃くなって、ぎりぎりまで我慢するけれど、細かな字が追えなくなって電気をつける瞬間は何ともわびしい気持ちがするの。 主人が風邪をひいて、もう4日になる。最初は頭痛、それから熱、すぐ…

ケーキと毛布

乗り換えるのに東福寺で降りたら、あんまり甘い花の匂いでびっくりした。あたり一面気配がする。見えるのは空と雲と駅舎ばかり。なのに、春の花がいっぱりになっているのが分かった。嬉しくなって、両手いっぱいのおみやげを持って電車に乗り込んだ。 主人の…

月曜日のスーパーマーケット

帰りみち、野菜をかごにいっぱいに入れてレジに並んだ。休み明けだからか、お店はいつもより混んでいた。つまみ菜、壬生菜、不断草・・この季節はいままで耳にしたことが無かった野菜がずらりと並んで、お店に入るたびワクワクしてしまう。このあいだは、立…

まだ来ない

ホームに上がると電車が来ていない。あれ?と思って電光掲示板を見上げる。なんにも書いてない。ちょっとしたら来るかな、そう思ってしばらく待っていたけれど、さっぱり来る気配がない。 ときどき乗る私の電車なのに、まだ来ない。これに乗らないとご用事が…

主人の誕生日

3月20日は、主人の誕生日。彼は誕生日には、だいたい長風呂をする。去年くらいに鍼の先生に、そんなに長く入らない方が私達の体質にはあっているよと言われてから大分短くなったけれど、それでも1時間くらい入っているんじゃないかしら。。 私はあんまり…

小さなお庭で

何だかむずむずして、目が覚めました。うっすら目をあけると、暖かくて、とろっとした日射しがカーテンの隙間から零れていました。そおっと布団から顔を出して、それから一杯お水を飲んで、スコップと袋とはさみを持って私の小さなお庭に出ました。 お水は毎…

屋根の上は畑

紫色の雲の向こうに、満ちるのに少し足りない月がかかっていました。友人の車に乗せてもらったときは山の端に陽が沈む最後のところで、降りたときにはちょうど暗くなっていた。いつも通り主人と友人がお喋りしているその間ずっと、後ろの座席で少しずつ月が…

ミニチュア主人

たとえていうなら室内犬のようなものだから、お外の生活に慣れていない。たくさんの友人に助けてもらって東京で初めて個展を開いて、そのあと個展のお手伝いをしてくれた大切な友人と箱根に出掛けて、ずっと行きたかったポーラ美術館に行った。そのあいだ、…

E・T

きのう、主人とE・Tをみた。明後日から一週間旅に出るのに、なかなか用意が終わっていないのに、どうしてこういうことをするのかと我ながら思うのだけど、わざわざ隣の駅まで借りに出掛けたの。 こどもの頃に見たきりで、内容もすっかり忘れていた。覚えてい…

幸せな時間

半分、夢のなかで、カーン、カーンという工事の音が聞こえてうっすら目が覚めた。こんなに朝早くから!と思って、起きないように布団をしっかりかぶり直しました。それから、もしかしたら・・と思って、時計を見た。目覚ましは止まっていて、出発時刻だった…

有名なバナナを聴いた

主人の弟さんが素敵なCDを作って送ってくれた。弟さんは音楽にたいへん詳しくて、まるで図書館の司書のようなの。「女の人の声で、晴れた日にお部屋で踊りたくなるような曲がいい」とか、「少しずつ温かくなって春がじんわり染みるような曲が聞きたい」とか…

快復!

この3日間私がしたことといえば、洗濯物を一度まわしたことと本を2冊読んだくらいのことで、あとはほとんどお布団の中にいました。お熱だったの。最初は声がおかしくなって、それからずっと頭の中が綿菓子のようになっていた。何かを考えようとしても、ま…

夢中

最近、とても好きなお菓子がある。甘くて、さくさく、ふんわり。外はカリカリの焦げ茶で、中はふわふわの真っ白。それは、ふがしです。 少し前にお店で見つけて、嬉しくなって買ってみたら、たいへん美味しかった。それで次に行った時にはふたつ、カゴに入れ…

睡眠爆弾

「爆弾?」 ゆらゆら揺れ始めた私を主人が笑った。とっても眠たい。さっき、寝たのに!私たちは、こうして突然眠たくなっておやすみ、という状態を睡眠爆弾と呼んでいる。 「もう、だめだ。おやすみなさい!」 「はい、おやすみ」 ぱ、ぱ、と寝支度に入るの…

小鳥

これは、きのうのこと。出掛ける前に、部屋で絵を描いていたら主人の呼ぶ声がした。 「みて、小鳥がはねてるよ」 なんだろう?手を止めて、台所の窓から外を見ている主人の隣にたった。 「ほら、走ってる。」 「・・・ほんと」 小鳥が走って、飛ぶ練習をして…

ひとりで映画館に行った!

数日前から決めていたことなのに、いざ出掛けることになったら嫌になってきて、結局夕方までひっぱってしまった。今日は映画を見に行く。しかも、ひとりで!! 美術館には子どものころから絵が大好きな父と母に連れられてほとんど毎週行っていたし、大人にな…

チポリーノの冒険

暖かい1日だった。いつもより早く帰れたので嬉しくて、ちゃんと予定通りに花屋さんに寄ってたくさんお花を抱えて帰った。去年はチューリップの球根を植えそびれてしまったので、少しだけ芽が出ているものを3つ選んだ。何色が咲くかは、おたのしみなの! 数…

わーい!!

主人が起きる温かい気配で、目が覚めた。でも、眠たいし、あんまり寒くて布団に潜り直した。天気予報で暖かくなる、って言ってたのにな。コーヒーが入る音をぽこぽこ聞きながら、夢の残りが澱のように沈んでいくのをゆっくり感じていた。 ふたりとも寝ぼけて…

月夜の冒険

たくさん重ね着をしているし、ちっとも寒くない。重さも感じないくらいの柔らかな雪、こんな景色は京都にくるまで見たことが無かった。視線を近くにしたり遠くにしたりして楽しみながら駅に降りたら、ちょうど電車が着いたところだった。 夕方から読みはじめ…

マリオ

がさがさ、外で誰かがなにかをしている音がする。ベランダからも、それから台所の窓からも。しかも、すぐ近くで。思わず、目をむけてしまうのがくやしい。私はかなりの恐がりだけど、これはちゃんと何かを分かっているから大丈夫。私たちのおうちは今、外壁…

主人がご機嫌

「ちょっとおやつ、食べるひと。。」 光る画面に目を向けたまま、にっこり手をあげる主人をみて、私はわくわくチョコレートの用意をする。食後に少しお仕事をしていたら、とつぜん、食べたくなったの。テレビの中では、長いこと選手を続けているサッカー選手…

料理について

最近、お料理が楽しいの。昨日はうんと丁寧にだしをとって一つずつ別で下茹でしたおでんといろいろ、今日は根菜たっぷりの豚汁と、茄子をちょっと甘辛く炊いたもの、人参とトマトのマリネ、ほうれん草の梅和え、もやしの胡麻和え、それに大根の葉とお肉を醤…

ひとりの時間

子どもの頃からずっと長い時間を電車やバスに乗って、旅をするように生活していた。鞄の中にはいつも文庫本が数冊と、スケッチをしたり、思い付いたことを書きとめるノートとペンが入っていた。ところが、結婚したらほとんど毎日主人と一緒にいて一緒に移動…

キルトのカーテン

ガシャ、ガンガンガン、ドーン!! 大きな音で目が覚めた。不穏な気配。厚手のくつしたを急いではいて、窓の外をのぞく。作業の服をきてヘルメットをかぶったお兄さんが沢山、集まっている。空き地にはトラックが荷物を載せている。 (たいへんだ)その場で…