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ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

The Gingerbread man

絵本

5歳から7歳まで、父の仕事の都合でニューヨークのブロンクスに住んでいました。私はもともとかなりの楽天家なのだけど、最初はまったく言葉が分からなくてこれはたいへん、と思いました。

最初から現地校に通うことになり、母が渡してくれたのはノートとペン。これで困ったら何か描いて伝えなさい、というのです。しばらくして考え方も英語になったころには必要なくなっていたけれど、どこの国にいっても一生懸命目をみてお話ししてみて、それが駄目でも絵で伝えれば大丈夫、そう思っているのはこの頃からかもしれません。

 

当時アメリカの公立の小学校には、(いまはどうか分かりませんが)月に一回カタログを配って、希望者に本を販売するシステムがありました。一冊1ドルから、高くても5ドルくらい。薄い本ばかりだったけれど、それはそれはカラフルで、そして絵が可愛いのです。おねだりしてこればかりはいっぱい買ってもらいました。ドクター・スースのCat In The Hatシリーズや、ドン・フリーマンや、マーガレット・ワイズブラウン、バーバラ・クーニーの本をたくさんたくさん、読んできました。

ものによっては、カセットテープがついてきました。効果音や楽しいバックミュージックも入った朗読です。車で移動するとき、毎回かけてもらいました。

一回気に入ると、もう嫌になるまで続ける癖があるのです。たぶん母は本当にうんざりしていたと思うけれど、私は「みにくいあひるの子」と、この「ジンジャーブレッドマン」の話が大大大〜好きで、それはもう自分でもうんざりするけれどそれでも読まなければいけないような強迫観念の中何度も読みました。

 

そういう訳で、今回はこの絵本のはなしをしたいと思います。いまだに最初のスキップするような効果音が流れると、おじいさんとおばあさん、男の子、おじさん、くま、きつね、そして生意気なジンジャーブレッドマンの声色をちゃんとそのまま覚えているし、そっくりの声ができます。

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'The Gingerbread man'

pictures by Karen Schumidt

 

ジンジャーブレッドクッキーは、キャンディの杖(あの赤と白のしましまをねじねじしたもの)と一緒に、クリスマスの飾りにも使われます。このジンジャー(生姜)を練り上げて、人形にかたどったクッキーがジンジャーブレッドマン。

ある日おばあさんが焼き上げた美味しいジンジャーブレッドマンは、「逃げろ、逃げろ、ぼくはうんと早く逃げられるんだよ!じゃあね!」とオーブンから逃げ出してしまいます。次々と出てくる登場人物を後にして、毎回「ぼくは誰からも、かれからも、逃げて来たんだ!そして君からもね、バイバイ!」と走って逃げてしまいます。ところがきつねが現れて・・・!というお話。

 

このジンジャーブレッドマンがとてもにくたらしい。最初は今にもこのクッキーを食べようとわくわくしていたのに食べられない男の子の気持ちになって読んでいるのだけど、読み終わったあとは気が付くとジンジャーブレッドマンの立場になっていて、何だか可哀想になってしまいます。読めば読むほど、早口の言葉が上手になる気がします。もしこの本を見つけたら、是非節をつけて、歌いながら読んで下さい。

 

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