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ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

神様のお使い

 朝は晴れていたので洗濯機を回して、全部干したところで降ってきた。もう一度お部屋に干し直して、出発。今日は奈良でご用事です。

 

車に乗せてもらって移動しながら、天窓から雲がかたちを変えていくのを見ていました。素晴らしい。天窓はいい。それが後ろの座席にもついている。雨が降ってくるさまを下から眺めることが出来たり、夜、星を見ることができるので、何だかとても贅沢な気分。

降ったりやんだりする中を、1時間半のお出かけです。私はビルばかりのところに生まれ育ったので、山に霧がかかる様子を見たことがなかった。雲が動かないな、と思っていたら「あれは霧だよ」と主人が言うので驚きました。お喋りの間も見逃したらいけない気がして、じーっと窓の外を観察しつつ、左側は晴れ、右側は雨という不思議な景色の中を進みました。見上げると灰色の雲が盛り上がって、さらに膨らみながら移動していました。

 

月一回、主人の幼なじみに会うの。まるで小さな儀式のように、最初は主人だけ、次は私も加えてもらって、春からは一緒に東京から引越して来た友人と3人で向かうようになりました。

京都が大好き。でも定期的に通うようになって、奈良の不思議な魅力に気付きました。なんだか、ぼわーっとしていて、空気がまあるい感じがするのです。

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「古代の昔、この辺りは海だったんだよ」

主人の幼なじみが言います。一斉に、深海魚や色んな海の生物が、あたりに一緒に泳いでいる幻影が浮かんできます。コポコポコポ・・・と水槽の中のような音が聞こえてきそうな感じ。建物も、町の作りも、道も京都より広い気がして、何だかのんびりするの。時代が少し遡るからかな。。

 

少し移動して奈良公園に出ると、ますますそう思う。鹿がいっぱいいるから、初めてみたときは大層驚きました。角に産毛のような細かい毛がびっしり生えていて、そっと触らせてもらうとちょっと温かかった。雨の日で、人は私たち4人だけ、鹿はたくさん。何だか鹿の顔つきが大人びていて、失礼のないように緊張しながら撫でさせてもらいました。

神様のお使い(シシ神様)として、とても大切にされてきた鹿は、色んなところを好きに歩いて、お店に入って来たりもするみたい。実際、公園から随分離れたところでも見かけたし、夏の暑い日に道路の横の溝に入って涼む鹿もいました。

 

そういえばこのあいだ、京都でも鹿を見たのよ。

祇園祭のとき、東京から来ていた友人と出町橋を渡っていたら、鴨川の水辺に茶色い姿が見えました。

「犬だ」

「迷子かなぁ。」

「犬かな?大きいよ。あれ、鹿じゃない?」

鹿は奈良にいるはずなのだけど、などと言いながら近づいてみると、本当に鹿でした。ほんの、1メートルくらいの距離で顔を見合わせたのだけど、あっという間に水草の間に入って消えてしまった。

「夢だったのかな?」

「ちがうよ、ふたりで見たもの」

うちに帰って、早速主人に報告すると、

 

「へえ!珍しい。京都でシシ神様に会えたなんて、良かったね」

と言っていました。友人も、とても喜んでいたし。でも私は、奈良で会った時にはあんなに気持ちを通わせたのに一瞬でいなくなってしまって、何だかちょっと寂しかったな。

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