ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

コアラのマーチ

「さっきのラジオ、聞いた?」

作業を終えて部屋から出てきたら、主人が声を掛けました。

「なあに?聞いていなかった。」

「お菓子がね、最近売れゆきが悪いらしい。」

コンビニで手軽にスイーツが買えるし、昔より色んなところですぐに甘いものが手に入るから、というのが理由だそう。お湯を沸かしながら、なんだかもやもやしました。

「缶コーヒーもね、あまり売れなくなるかもしれないみたい」

「どうして?」

コンビニでもコーヒーを売るようになったからだって、と主人が言います。それを聞いて、何だか気がどんどん重たくなって来ました。紅茶を淹れながら、ふと心配になって、コアラのマーチ、なくならないよね?と聞くと、主人はどうだろうねえ、と言う。缶のコーンスープは当分、あるかしら。さあ、気のない返事が返ってきます。あんまりお菓子は詳しくないし、缶コーヒーも飲まないけれど、何かがなくなって、違う、新しい見慣れないものに変わってしまうのはとても悲しい。

だいたい私は、とてもオーソドックスなものに、心惹かれるの。分かりやすいものや事がらが好き。それを選んで、自分の好きにさわりたいのだから、ややこしいととても面倒くさいの。だから、たとえば野菜や魚を買いに行くお店も、突然棚の並びが変わってしまうと、とても困る。最初にあるべきは果物で、季節の野菜で、それから丈夫な野菜、と呼んでいるもの(ゴボウや、人参や、じゃがいもなど)があるべき。豆腐と油揚げと納豆は3人セットのようなものだから近くに置いておいてほしいし、牛乳とヨーグルトも仲間だと思う。このあいだはグラノーラとジャムがあったはずのところになくて、お店のなかをぐるぐる歩き回ってしまいました。こういうことはあってはいけない。

ビデオやさんでもそう。このあたりの棚は古いものがあっておもしろそう、次回はここのものを借りようかな、と見当をつけていても時々ガラッと並びが変わってしまう。わがままな私は、そんなに次々新作がなくてもいいのに・・と思ってしまう。あの古い映画たちはどこへいくのでしょう・・・やっぱり捨てられるのかしら。。昨日まで棚に並んでいたのに、ある日いきなり連れて行かれるなんて。。

 

缶コーヒーも、お菓子も、それはどうにも日本的で、海外から帰って来て、空港で選んで飲むときは特に美味しいし、そのジャンクな色合いのお菓子たちにまた会えたことが嬉しくてたまらなくなる。これがもしも!なくなってしまってはどうにも、さみしい。

 

帰り道、主人の煙草と一緒に、コアラのマーチを買いました。お腹はいっぱいだけど、どうしてもちょっと食べたくなってお皿に並べていたら、主人に見つかった。

「そんなの、並べて食べたらおかしいよ」

「うん。。でも見て、ひとりひとり顔が違うのよ」

「・・・ほんとだ」

「みて、この子なんかウィンクしてる。何だか可愛いね。」

「いや、でも顔を見ちゃったら、食べにくいでしょ」

そんなことを言う主人の前で、コアラはいっぱい、私のお腹のなかに入っていきました。

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