ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

銀色のお皿

いまは、絵を描くのにいそがしい。久しぶりに、絵の具を出してわくわく、少しずつ色を重ねています。クレヨンや色鉛筆も大好きだけど、やっぱり水彩絵具はいいな、と思う。色をちょっぴりずつ並べて、筆をぱちゃぱちゃ、水の入ったグラスや小瓶で動かす。淡く溶けて、画用紙にさあっと広がっていくのを見ていると幸せな気持ちになるの。

小さいころから絵を描くときは、思いっきり道具を広げて、絵の具もはしから出していく。それこそ豪快に!!

 

最近、いつも使っているパレットとは別に、錫のお皿を使い始めました。これは実は、まだ学生のとき初めて一人で京都に来て、どこをどう歩いたのか、偶然辿り着いた京都市役所前で蚤の市をやっていて、その時に選んで買ったものなの。

 

その銀色のお皿には果物の柄が細かく刻まれていて、柔らかな春の日射しをそっと反射させていました。思わず、足を止めました。いいな、素敵だな。。でも、値段が書いていない。しかも、広げたテーブルの奥では、いかめしい顔をしたおじいさんが一人で座っている。一枚1500円くらいかな。ここにある三枚、ぜんぶ欲しいけれど・・・ちょっと予算を超えていました。

お皿から目を離せずに、でも邪魔にならないようにそおっとみていたら、おばさまが来て、激しく別の器の値引き交渉を始めました。(それは見るからに渋くて良さそうな茶碗で、随分安い値段をおばさんが言うのを見てびっくりしたのを覚えています。)そのとき初めて、間近で関西の言葉の応酬を見た私は目をまんまるにして固まりました。そして諦めかけた。だめだ、私にはとてもこんな風に言えない。でも、交渉決裂。最初から最後までずっと圧倒されて動けずにいた私の方を、おじいさんがパッと見ました。

「お嬢さん。その皿、気に入ったんやろ。1枚1000円やけど、3枚で2000円にしたるし、持っていき。」

わあ!!それからこう、続けました。

「黙ってみてたし」

そう言って、ニコッと、私と、それから隣のおばさんの方を向きました。私はそちらの方は向けなくて、でも、とても嬉しくてお礼を言って、お皿を抱きしめて帰りました。京都って、なんかいいなあ。初めて思ったのはこの時かもしれません。

 

その京都市役所前を、ほとんど毎日通ることになることや、向かいの本能寺にご先祖さまが眠っていたことなんて、夢にも思わなかったし(最近まで)知らなかった。そして大切に連れて帰ったお皿はいま、大事にパレットに使われて、主人がくれたインドのピカピカトレイや、ポーランドのエッグスタンドやフランスのドレッシング入れと合わせて、何だか居心地良さそうにしているの。

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