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ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

Suzanne Vegaと遠い記憶

久しぶりの雨。今日は家で、こまごましたことをしながら、絵を描き本を読み、そして音楽を聞きました。こんな雨の日、外の世界とから隔絶されて部屋だけぽっかり空中に浮いているような日は、スザンヌ・ヴェガの甘過ぎない歌声、写真のように切り取られた歌詞が心地良く届くの。

彼女の曲はとても親密な気がして、そっと聞きたい。好きなものを沢山並べた中に、ハスキーで少しくぐもった声がゆっくり満ちていくと、窓の外をもう一度見たときに一層景色が鮮やかに見える気がする。まるで記憶の中の雨の日みたいに。

 

こんな雨の日。母と私と小さい弟は、ニューヨークのリバーデイルのマンションから、私の通う幼稚園の転入手続きをしに歩いた。引っ越して来てすぐ、私と弟は一週間ものあいだ高熱を出し、手続きが遅れたこともあって、その日でないといけなかったのだと思う。大雨の中、黄色いレインコートをすっぽりかぶって必死で歩いた。

ニューヨークの秋は短くて、街路樹が一斉に黄色くなり、一番気持ちがいい季節だけど、ほんの二週間ほどですぐに冬が来てしまう。その黄色い風景の中を、バケツをひっくり返したような雨が降っていた。それはすぐ隣の母の声も聞こえないほどの凄い迫力だった。いつもは車を使っていたのに、この日はなぜか使えなかったのだと思う。母は小さい弟をだっこして半泣きになりながら歩いていた。私も一生懸命足を動かしたけれど、進んでも進んでも同じ景色でどこまでも続く気がした。そのときのしんどさは覚えていないけれど、何だかとても懐かしい。


Suzanne Vega - NEW YORK IS A WOMAN - Live ...

スザンヌ・ヴェガはいい曲がたくさんだけど、中でも 'newyork is a women 'と 'gypsy' が一番好き。ニューヨークはきっと女性ね、毒もあるし愛もある、しなやかな都会を静かに歌う。ジプシーのように、自由で、ふたりで、遠くへ。この曲は18歳のスザンヌ・ヴェガがサマーキャンプで好きになった、遠くからきた絵の先生に贈った曲だそう。

でもこれらを聴くときは、ひとりで聴くこと。そのほうがきっと、聞き終わったあと、色んなことが浮かぶから。。


Suzanne Vega - Gypsy - Berlin 1990 Live - YouTube