ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

静かな夜

明るい通りを一本曲がると、急に息づかいも足音も冴え冴えと聞こえるような静かな通りになります。一昨日までの暑さが一転、袖のすきまから入ってくるような冷たい風が走る。待ち合わせの駅で降りたら、お日様はすっかり沈んでいるのに底の方はまだ余韻が残っていて、まるで森の中のような、不思議な色の空でした。月がゆっくり、呼吸をしながら体を膨らませているよう。

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主人が、風邪をひいた。彼は喉が弱いので、くしゃみが止まらず、可哀想。。お部屋で毛布とキルトをぐるぐる巻きにして寝ている間に、居間のマットを、冬用の分厚いもこもこの絨毯に取り替えました。ちょっと早いかな、と思っていたけれど急に気温が下がったし、主人はお熱だから丁度良かった。

ふたりで昨日の残りの熱いスープを飲む。お粥を炊いて、ほうれん草の和え物や梅干しとおかか、蓮を甘ずっぱく焼いたものやら、牛肉と茄子をとろとろにしたもの、合いそうな小さなおかずをいろいろ作った。

「はやく、元気になってね」

 

なんとなく、傍で本を広げて読み始めたら面白くてぐんぐん読み進めてしまった。でも気が付いたら、いつも通り主人が私に膝掛けやら肩掛けやらくれて、私がぐるぐる巻きになっていた。主人が淹れてくれた白湯を飲んだ。

 

結局明け方までかかって、ミヒャエル・エンデの「自由の牢獄」(岩波現代新書、田村都志夫訳)を読み終えました。これはなかなか濃厚な短編集だったので、いまは頭の中にたくさん扉が生まれて、開くのを待っているような気持ち。どれもこれもこっくりしていて良かったけれど、好きなのは「ミスライムのカタコンベ」と「道しるべの伝説」。どちらも、最後に光がさあっとさすような、でも良かった良かった、とただ終わるのではないのがいい。エンデの本はまだ全て読んだわけではないけれど、彼の思う世界が確固としてあって、それを色んな書きくちやアングルで見せてくれている気がする。流浪して異郷の地にあるけれど、自分がここにいる意味はかなたにある世界への道しるべであるという、最後の一編がおわるときには、とっても眠たいはずなのに、お腹のなかが何だか温かい気がしました。

いつも朝まで本を読んでるのは主人なのに、珍しく逆だなと思いながら静かな寝息をきいていたら、すとんと眠りにおちました。