ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

空のしるし

ザルテンの『バンビ』を読んでいたらあんまり情景が浮かぶので一旦、本を閉じて目をつむった。森の中の音を空想したり、男の子らしい子鹿の跳ねるさまを想像したりしているうちに、眠気が押し寄せて寝てしまったみたい。あんまり一瞬で深いところに行ってしまったから、起きたとき何が何だかわからなかった。目の前にたくさん人がいて、ガヤガヤ、ワアワアしている。そうだ、電車の中だったんだ。

京都は春の桜も有名だし、同じくらいかと思ったら、とんでもない。秋にはずっとたくさんの観光客が訪れる。夕方、市外でのお仕事の帰り、京都駅が近づくにつれ、どんどん人が乗って来て、車内はぎゅうぎゅうになっていった。

 

昨日は夕方、叡山電車に乗った。学生さんや、貴船や鞍馬に行った帰りの人で、今までに無いくらい混んでいた。乗れるかどきどきしながら入って、うっかり整理券を取り忘れた。

「えらい人やなあ・・」

すぐ後ろで二人の男の人が小声でやりとりするのが聞こえた。学生さんかしら。

「こんなに混んでいたら、なんや身体に悪そうやな」

そうやそうや、と真剣に話す声に思わず振り返りそうになった。確かに混んでいるけれど、荷物もちゃんと持っていられるし、呼吸もふつうに出来る。そんな身体に影響を及ぼすほどでもない。なのに、二人は次に人が乗って来たら一体どうなるんだとか、これはもう乗れへんでしょとか、まだ乗るかとか、自分の身の心配ばかりしている。もちろん私も満員電車は大きらい。朝の山手線の混雑は半端ではなかった。あんまり嫌いで、学生のときはちゃんと早起きしたり、逆に堂々とお寝坊をしたりしていた。うーん、さすが京都の人びと。。雅でした。混雑している車内の中で、ふたりの声はとても静かなのだけど、私にははっきり聞こえて、とってもおかしかった。(そして帰ってちゃんと、主人に伝えました。)

 

寝ぼけたあたまで京都駅で降りて、地下鉄に乗ろうと思っていたけれど混んでいたのでちょっと頑張って、次の用事の三条まで烏丸通りをずっと歩きました。日頃あまり歩かない道をぐんぐん歩くのは面白い。風を切って、わくわく落ち葉やお店を見ながら進みました。

空気が綺麗に澄んでいました。砂場を引っ掻いたような雲が面白くて眺めていたら、、西の空の向こうに三角形を見つけた。

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まるで矢印みたい!なんて三角形なのかしら!思わず、追いかけました。歩道橋が丁度あったので、よく見えるようにと登ってみました。

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子どものころ、家から駅に行くにも、駅から学校に行くにも大きな歩道橋があって毎日昇り降りしました。京都には、あまり歩道橋がない。久しぶりに登ったら、思った以上に高くて、走る車がずいぶん下の方にあるのでちょっとくらくらしました。でも三角形があんまり不思議で、淡くとけてしまう前にと慌ててシャッターを押しました。

 

帰って主人に見せたら、

「まるで何かのありかを教えてくれてるみたいだねえ」

といった。

「宝の地図みたいに?」

主人はそうそう、といって、どっちの方向だった?と聞いた。わかんない、西のほうだったけど、、答えながら、もしかして何か宝物があったのかもしれない、と思い始めた。それとも、何か特別な場所を私に教えてくれたのかもしれない。。探しに行かなくて、なんかもったいないことをしたような気持ちになって仕方がなかった。もし、誰かほんとに三角形を追いかけた人がいたら、ちょっと羨ましいな。。