ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

どこか懐かしい南国

ブログを開くのが、なんだか久しぶり!!

数日間、台北に行ってきました。でもいつもの旅とあまりにも違って、自分の中でぐるぐる、すとんと落ちるのに時間がかかった。思いつきで日程があいていたから入れた旅行だったし、そんなに期待せずに行ったのだけど、見るところ見るところ想像以上に雰囲気がある街並でびっくりした。いままで色んな国に出掛けたり連れてってもらったりして、それぞれみんな素敵で思った通りに気持ちよかった。いつも旅では、日常との差が楽しくて自分のなかの変化を面白がっていたのだけど、今回は何だか違った。あんまり自然に自分がそこにいたから途中、旅の最中ということを忘れていたくらいだった。

 

夕方に着いた桃園空港は光がいっぱい入る綺麗な建物で、礼拝堂みたいだった。柔らかな光のなかを友人夫婦と4人でバスに乗り込んだ。12月というのに、春の宵のような暖かさでした。

晩ご飯は、ホテルの近くを散歩していて、偶然入った食堂。無口なおじさんが入り口で料理をしていて、においに誘われて入りました。注文の仕方も分からなかったけれど、主人の中国語(でも、北京語と違うから聞き取れないやと言っていました)と身振り手振りで頼んでみました。そこは豚肉料理の専門店で、おじさんとおばさん2人が3人でやっている小さなお店でした。時折猫が入ってきて、大きなお肉のかたまりを催促して貰っていた。あんまり見事に食べるから、羨ましくておなかがぐーぐー鳴りました。さすがに毛並みがつやつやでした。そのお店には、豚肉をとろとろに甘い醤油で煮込んだ豚足や、角煮のようなもの・・・名前は分からないけれどそういった美味しいものがたくさん!ありました。

あんまりそこが気に入ったので、滞在中毎晩、夜ご飯はここで頂きました。最初は無愛想だったお店の人たちも

「好吃?(美味しい?)」

と聞いてくれたり、ちょっとおまけしてくれたりした。すぐにみんな肌や爪がつやつやになったけれど、同時に顔もまんまるになって、どんどん食べる量が増えていくので、さすがに心配になった。でも何せ美味しい。このお店は勿論だけど、その他にも豆花(甘い豆腐のデザート)や、愛玉子(レモンゼリーのようなもの)や、葱のおやきや揚げパンや、色々のせた特製お粥や、とにかくとろけそうに美味しいものが台湾には山ほどある。帰ったら食べられないと思うとまた惜しくて、どんどん食べました。

 

ここ10年くらい、旅といえば主人と友人と3人で出掛けていたのだけど、友人が去年結婚して、前回から奥さんと4人の旅になった。今回は、奥さんとふたりで可愛い文房具や雑貨にわくわくしてしまい、奥へ奥へ潜るようにお店を見て回りました。女の人がふたりいると、あぶない。とても楽しくて、色んなお喋りをしながら、どんどんカゴが重たくなって、レジに並ぶとき後ろの人に申し訳ないくらいだった。(小銭で買えるような小さなおもちゃやカード、鉛筆なんかがじゃらじゃらしてしまったの・・)でもいいの。金額を見たときちょっとふたりとも固まったけれど、でもいいの。。きっと、使うから。。たぶん。。

食べて、お買い物をして、そしてものすごく沢山、歩きました。

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ホテルのあった中山國小の近くの通り Zhongshan Elementary School f:id:rumir:20131203111929j:plain

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古い問屋街。看板犬がいっぱいいた迪化街 Dihua street

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 康青龍周辺  Kang Ching Lung area

 

たくさん歩いた中でも、康青龍エリアの中の青田街が一番好きでした。帰って調べてみたら、ここは統治時代の日本家屋が残っているエリアだそうです。木や石の丁寧なつくりの古い建物がギャラリーやカフェに姿を変えて、緑がいっぱいの美しい通りに点在していました。

「いつも見ている景色にそっくり」

「南国の京都みたいね」

ふたりでそう言いあったのも間違いじゃなかった。大学がいっぱいあって、可愛い雑貨屋さんや本屋さんがあって、時間がゆっくり流れている。その流れかたが自分の中の時計とぴったり合いすぎてしまってびっくりした。

「君にそっくりな人をたくさん見かけたよ」

隣で友人夫婦が私も、と笑う。背格好が似ているみたい。面白いな、と思った。考えてみたらギズモは台湾から来たらしいから、実は関係あるのかもしれない。。

 

あと数時間で飛行機に乗る、と考えると信じられない気持ちになった。確かに帰っても楽しいし、やることもいっぱい待っている。でも、半分は、ここにしばらくいてもいいんじゃないかと思っている。

「今なら、食べられるのにな」

主人が言った。すぐにピンときた。

「明日もあの日本人たちくるかな、ってきっと話してるね」

「うん」

「行けなかったから、他のお店に行ったのかなって思うかな」

「そうだね」

「・・・何だか申し訳ないな・」

仕方ないよ、どうせ近くに住んでいても毎日行けるわけじゃないんだしと主人は言うけれど、聞くたび淋しい気持ちになって困った。あの人たちは今日もあの街角で、ことこと豚を煮込んで包丁をふるい、注文を聞き、そして食べた人のお皿を洗うのね。

「また、連れていってね」

「うん、行こうね」

そう聞いたら少し安心した。ふと、あのお店の猫が足元を通って行った気がした。甘いお肉のかけらを想像したら、いいにおいがした。