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ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

クリスマスの絵本の王様

気がついたら、私の本棚にはクリスマスの絵本がたくさん揃っていた。クリスマスには絵本をプレゼントすることが多いからか、本屋さんでも美しい画集や絵本のコーナーをよく見かける。端正な仕掛け絵本や、豪華な装丁の本も数多く並んでいるけれど、私はクリスマスの絵本の王様はやっぱりこれだと思うの。

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「クリスマスのまえのばん」

クレメント・C・ムーア 作、 ジェシー・W・スミス 絵

ごとう みやこ 訳

新世研(2001/10)*アメリカ版の初版は1912年

 

「クリスマスのまえのよる」

クレメント・C・ムーア 作、ロジャー・デュポアザン 絵

こみや ゆう 訳

主婦の友社(2011/11)*アメリカ版の初版は1954年

 

どちらも同じ作者です。このクレメント・クラーク・ムーアさんは、ニューヨークの神学者だったそう。彼は今から約200年前「聖ニコラスの来訪」という題で新聞に詩を投稿しました。内容は、クリスマスの前日のこと。静かな夜、シャンシャンと音が聞こえてきて、お父さんが窓をのぞくと、サンタクロースが8頭のトナカイがひくそりに乗って空からやってくるところでした。彼はにこにこ陽気にお仕事をします。お父さんはそれを見て、サンタクロースの秘密を共有します。

簡潔な文章で淡々と、それは描かれる。私たちはサンタクロースのことをだいたい知っている気がしているから、何でもない気がして読んでしまう。でも、サンタクロースの特徴、太っていて白いひげがあって、幸せそうに笑うことや、背中におもちゃの入ったふくろをせおって、煙突からお家に入って枕もとの靴下にプレゼントをいれること。それから、トナカイのひくそりに乗っていることなんかはみんな、このクレメントさんが作り出したイメージと言われている。この人が聖ニコラスを、サンタさんにしたなんて、とてもとても不思議です。

この詩はたいへん愛されて、全米中に広まりました。絵本もたくさん出ている。何冊か見てみたけれど、私はこの二冊が好き。一冊目のジェシー・スミスの描いたものは、今から100年前に出版されたもので、風合いが落ち着いていて色もしぶい。でも子どもが何だかとても愛らしい。

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そしてサンタさんがこわい。

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黒い毛皮をきていて、そしてとても小さい。暖炉につるされた靴下に届かなくて、踏み台に乗っているのがちょっと可愛らしい。

サンタクロースのお洋服が赤くなったのは、コカコーラの宣伝で使われたからということは有名だけど、もう私は赤いお洋服のサンタクロースに慣れているから、このサンタクロースはどうしても、ただのおじさまに見えてしまうの。。

 

二冊目のロジャー・デュポアザンの絵本はとてもおしゃれ!大きな縦長で、そして色が鮮やかです。「ごきげんなライオン」や「がちょうのペチューニア」で有名な画家さんなのですが、まるで楽しい音楽を聞いているような絵なの。

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サンタさんもちゃんと赤い服を着ている。

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表紙をめくったところも素敵。。

 

二冊の雰囲気はそれぞれ全然違うし、ターシャ・テューダーやリスベート・ツヴェルガーが描いたものもあってそれも柔らかくていいけれど、どの人の描いたものも何だかとても勢いを感じる。きっと、詩のパワーなんだろうな、と思う。

はじめは、クレメントさんが自分の子どもたちのために書いたお話だったそう。でもお友達がそれを大変気に入って、内緒で新聞に投稿した。それが広まって、海も渡って、今に至る。それはまるで、一すじの水が川に流れて、ごうごうと勢いが増していくよう。それぞれの街で、それぞれの家の中で、今も読まれている本。これはとてもクリスマスらしい本だと思うのです。