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ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

甘い甘いりんごジャム

一通りやることを終えて、寝床を整えた。読書中の主人に言う。

「おやすみ、明日もまた遊ぼうね」

「はい、おやすみ。」

首まで布団にもぐって、ふと、思いついた。

「そうだ」

がばっと起きて、台所に小走りで向かった。

 

りんごを数えると、6つあった。

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鍋と、まな板と、包丁を出して、半分に割る。そうだ、色が変わらないために塩水が必要だった。大きなボウルに塩水をはって、どんどん切って皮をむいていく。綺麗な赤い皮は別にしておく。無心のひととき。みるみる部屋はりんごの香りでいっぱいになる。しゅわ、と包丁の先に小さなあぶくができて果汁が零れる。それから、片っ端から薄く切っていく。端っこの、分厚くなってしまったところをつまみ食いしながら。しゃくしゃく、音が気持ちいい。

 

「あのね、なにができると思う?」

「さあ」

主人は、こういうことに慣れている。

「あのね、りんごジャムを作るの」

「へえ」

きっと美味しいから楽しみにまっててね、というと主人は笑った。たぶんそれは、私のジャムを食べたことがないからだと思う。私もない。作るのは初めてなの。とつぜん作ろうと思った理由は3つ。今朝、母からりんごをたくさん送ってもらった。でも主人はりんごが好きではない。それから、先月主人のお母様から手作りのりんごジャムを頂いてとても美味しかった。そして、明日が今年最後の燃やすごみの収集の日だから。(一番の理由はこれ。)

お水を少しいれて、りんごをどっさりいれて、それからお砂糖をたくさんいれた。もうひとつのコンロで、栗きんとんの準備をしながらコトコト火にかける。お料理は好きだけど、お菓子作りはほとんどしたことがない。小さい女の子のうちからクッキーやらカップケーキやら、色々なものを作ってはくれるお友達がたくさんいたけれど、私はそれを 作るなんて、考えた事もなかったの。中学校のころ調理実習で、コーヒーゼリーを作る係になって、ゼラチンを入れるのを忘れたくらい縁遠かった私だけど、気が付いたらりんごジャムを作っていた。

 

「りんごジャムが、できるの?」

「たぶん、これでいいと思うのだけど・・」

豪快に散らかしたりんごの皮や芯を片付けて、静かになったころ主人が見に来てくれた。

「ちゃんとレシピ見たの?」

「見てない」

「え?また?」

「だってお母様が、大体でいいのよ、って言ったんだもの。」

「・・・」

急に心配になったけれど、ふうん、と主人が木べらで中身を少しかき回すのを見て、きっとちゃんとできる気がした。何をするでもなしに、主人がお鍋をさわると美味しくなる気がするの。

 

それから、ジャムを作っているあいだに換気扇のカバーをはずしてお風呂場で掃除をした。あんまりごしごし集中したものだから、頭を上げたらくらくらしたほどでした。音楽をかけて、小さな話をしたり、おやつをかじったりしながら、りんごの煮たものが甘い甘いジャムに変わるのを楽しみにしました。

「ついでだから、ビンの整理もしよう」

「わあ!」

作りつけの棚の上にある、私達のビンコレクションは最近、小さなお花を飾るときくらいしか使っていなかった。これは便利だから置いておこう。これは綺麗だから大事、これは形が、これは色がいい。そう前に判断したものが、今見たら何でこれを残したんだろう、と思うものもあった。主人の好きなビンもあるから、一緒に見れたら楽しい。このかたちはいいね、とか、このビンはイタリア製だ、とかぶつくさ言いながら並べて、光にあててはうっとりしました。ジャム用のビンを出して、いらないものを選り分けて、また綺麗に洗って棚にしまいました。

 

鍋をのぞくと、ジャムらしくなっている。食べてみると、思っていたより甘かった。レモン汁を入れなければいけなかったらしい。。けれど、とても美味しかった。こぼさないように気をつけながら、ビンにつめる。気が付いたら、りんごが無くなり、ごみを出し、ビンを整理し、換気扇の掃除も済んで、そしてジャムができていた!!!

時計を見ると、4時をまわっている。我ながらびっくり。それに気付いたら、あくびが出た。

「これで、起きたら夢だったらどうしよう。」

こんなにてきぱき、もう二度とできないでしょう。もしもう一回やり直しだったら、嫌だなあ。。そう言うと主人は、

「早く、寝なさい 。」

そう言って笑った。それでちゃんと今日も一日が終わった気がして、もう一度おやすみを言って眠りました。

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