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ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

チポリーノの冒険

本と音楽

暖かい1日だった。いつもより早く帰れたので嬉しくて、ちゃんと予定通りに花屋さんに寄ってたくさんお花を抱えて帰った。去年はチューリップの球根を植えそびれてしまったので、少しだけ芽が出ているものを3つ選んだ。何色が咲くかは、おたのしみなの!

数日前の「青矢号」がとても良かったから、同じロダーリの「チポリーノの冒険」をゆうべから読み始めて、さっき読み終えた。こんなにすぐに読んでしまって、ちょっと残念。。でもどんどん読みたくなってしまって、しぼりたてのオレンジジュースを飲みほすみたいにページをめくった。

 

作者のジャン二・ロダーリは1920年生まれのイタリアの作家。国際アンデルセン賞も受賞していて、児童文学の第一人者といわれています。彼は、あまり裕福ではないお家に生まれ育ったそうです。社会のなかの普通の人達の暮らしや、彼らに小さい「いいこと」が起こって幸福になっていく文章が本当に優しくて、素晴らしいと思う。全部のおはなしが、まるで枕元で自分だけのための物語みたいにフィットするの。

チポリーノは、玉ねぎの子どもです。この物語ではほとんどが野菜と果物、それにモグラやクマ、犬が出てくる。悪いレモン大公が治めるこの国の圧政で、捕まってしまったお父さんのチポローネを助けるため、うらなりかぼちゃのおじさんやカブ子、サクラン坊やと旅をしてがんばるの。色々な事件の一つ一つは「童話的に」してあるし、(たとえば人のものばかり欲しがるオレンジ男爵がお城にきて財政が困ってきたら、政務をとりしきるトマト騎士は「雨やヒョウといった悪いお天気に課税する」なんていう法律を通してお金をとりたてたりするし、エンドウマメ弁護士はその場その場で強い人に合わせて立場をころころ変えてしまう)登場人物は多いのだけど、どれもどの人も本当のことのようにいきいきとしている。話がふくらんで、人が増えて、これはどうなっていくのかと途中で心配になるのだけど、最後には、散らばってぐちゃぐちゃになったカードがすっきり並ぶようになるさまは、イタリア映画を見ているような気持ちになる。

ロダーリの本はまだ全部読んだわけではないのだけど、この「チポリーノの冒険」が代表作といわれて、世界30カ国で翻訳されているらしい。とても面白かったけれど、私は正直、「青矢号」のほうが好き。手のひらに載せてじっとみていたい宝石のような話だった。でも・・・この本がスペシャルなのは、理由がある。それは、挿絵です。

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この絵が、とにかく可愛らしかった。ジブリ宮崎駿さんも、この絵が好きでたくさん真似をしたとインタビューに書いてあるのを読んだことがあります。私も、何度もうっとり眺めてしまいました。この絵はB.スチェーヴァさんというロシアの画家が描いたそうですが、詳しいことはよく分かりません。イタリアの原書版ではなく、ロシア語版から選んだというのは珍しいことだと思うのだけど、このチポリーノのすがたを見たら納得です。途中途中の絵も素敵なので、興味のあるひとは是非手に取ってみて下さい。岩波少年文庫から出ています。

 

晩ご飯のメインは、主人特製のビーフシチューでした。ゆうべから仕込んでくれていたの。とろとろに煮込んでくれたから姿が見えないけど、野菜がたくさん入っていた。ふと、にんじん探偵や、ブドウ親方やミカン小公爵や・・もちろん、チポリーノの姿があたまに浮かんだ。そうだ、ご飯を食べ終わったら主人にあの可愛い挿絵を見せてあげよう、そう思いながら食べたらますます美味しくて、ほかほかのシチューをおかわりしました。

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