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ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

ひとりで映画館に行った!

お出かけ

数日前から決めていたことなのに、いざ出掛けることになったら嫌になってきて、結局夕方までひっぱってしまった。今日は映画を見に行く。しかも、ひとりで!!

美術館には子どものころから絵が大好きな父と母に連れられてほとんど毎週行っていたし、大人になっても月に一度は何かを見てきました。勿論、ひとりで行くことに慣れているの。喫茶店だって、レストランだって、演奏会だって何度か行ったし、ひとりで全然大丈夫!!

でも映画館だけは、ひとりで行ったことがなかった。大体、仲良しに連れて行ってもらって、それから主人と何回か見たことがあるけれど、家族と行ったことを含めても映画館に足を運んだこと自体が全部で10回も無い。

 

きっかけは、このあいだ鍼の先生のところに行ったときに映画の話になったときのこと。先生は映画が大好きで、奈良にいるのに大阪や京都や神戸まで(!)映画を見に行くそうで、色んな話を聞かせて下さるの。そのときに、四条烏丸のシネマ京都で上映されている映画の話になった。どこかで聞いたタイトルだと思ったら、短大の卒業論文で取り上げた数人の哲学者の内のひとりのユダヤ人女性の名前だった。彼女の話が映画化されて、それが良かったと教えて下さるのを聞きながら、これは行くことになるんだろうなと、何となく他人事みたいに思っていた。

「行っておいでよ」

主人は本を読みながら、にこにこ言う。

「チケットを買うのが、緊張するの」

「どうして?」

「席、どこに座ったらいいかわからないし。」

「真ん中がいいんじゃない?そんなに広い会場じゃないんでしょ」

「・・・」

なにか独特なルールがあるんじゃないか、と思ってしまう。チケットは一度出して何かハンコを押さないと見られない、とか。それにもし!騒がしいところにいなくちゃ行けない羽目になってしまったらどうしよう。映画館は涼しいのかしら、それとも暑いのかしら。私の好きな飲み物は売っているのかしら。。考え出したらどんどん気が重くなっていった。

見たい映画はいつも借りてきてお家で見るけれど、ビデオにならないものもある。東京にいた時に見たくなったいくつかの美しいドキュメント映画は、友人に連れていってもらった。その映画が面白そうだということを宣伝すると、優しくて親切な友人がいつも話に乗ってくれたの。でも京都には彼女がいないから、ひとりで行くしかない。

調べたら、今月で終わりだった。しかも、夜の7時からの回しかない。今月末にはお客さまが来る用事もある。その前の火曜に行こうと決めて、すっかり忘れていて、気が付いたら今日が今月最後の火曜日だった。いつだってこうして、ぎりぎりになってしまう。。お昼ごはんを食べたら出掛けて、遅れてしまった大切な友人のお誕生日プレゼントを買いに行こうと思っていたのに、ぐずぐずしたり、電話が来たりしているうちに陽が暮れてしまった。しかも窓を見たら小雨が降り出している。それを見たら、どうにも面倒になってきた。。でも、お仕事帰りの主人と友人が帰りに車で拾ってくれるというの。それを聞いて、ちょっと勇気が出たので出発した。

 

1階と2階にインテリアショップがあるこのビルに来たことはあったのだけど、3階が映画館なんて知らなかった。45分も前についてしまった。自分だけでチケットを買ったことが無いので、どきどきしながらチケット売り場にいく。

「こんばんは。チケット1枚ください。」

小さなチケットを受け取る。入場できるのは15分前と聞いてびっくりした。それに、どこにも売店がない。席に座って、ポップコーンと大きなジュースを飲みながらパンフレットをめくって待つものなんだろうと思っていたの。(ただし、したことは無かった)仕方なく、パンフレットを購入して辺りを探検することにした。ロビーは色々な人でいっぱいだった。

ポップコーンか、なにか映画館にふさわしい食べものがあるに違いないと思っていたので、お腹がとても空いていた。時間はそんなにないけれどカフェに入ろうと思って探した。でも準備中だったりレストランだったりして、隣のビルに行かないとないみたい。ぐるぐる歩いているうちにとってもくたびれた上に、慣れない場所で胃がきゅっとしてきた。もうすぐ時間になってしまうので、ロビーにもどって、缶の紅茶とお水を買った。ロビーには、沢山の人がいた。

あたりを見渡して、驚いた。夜も遅いし、空いているとばかり想像していたのに、混んでいるし、そのうち7割が年配の方でした。杖をついた方やダンディなおじいさま、朗らかなおばあさまたちが沢山。開場して、整理番号順に入って行くシステムだった。どんどん人が入って席を決めていくので、考える間もなく、前の人についてぽつんと空いているところに座った。座ったらホッとして、ちょっと映画が楽しみになってきた。パンフレットを取り出してめくった。

 

映画は面白かった。特に、主人公の女性が教壇に立って学生に向かって講義をするシーンがハイライトなのだけど、そのときは私も学生のひとりになったようだった。お部屋で見ていたらその実感は弱かっただろうなと思う。となりのおばさまが腕組みをするさまや、おじさまの頭が傾いたりうなずいたりする様子が目の端に映って、余計に一緒に授業を受けている気持ちになりました。

エンドロールが流れて、とても静かな空間に沢山の人の密度だけがあった。場内が明るくなり、みんな扉が開いて波がすぅっと海に戻っていくみたいに静かに外にでて行った。もっとわいわいなるものかと思っていたので、それはとても気持ちがよかった。年配の方が多かったからかな。でも、お年をめしてこうして映画に来る方があんなにいるなんて素敵だなと思った。外にでて、雨上がりの夜はちょっと暖かかった。主人と友人との待ち合わせの場所に向かいながら、(ひとりで映画もいいものだ)と思って嬉しくなりました。

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