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ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

ケーキと毛布

乗り換えるのに東福寺で降りたら、あんまり甘い花の匂いでびっくりした。あたり一面気配がする。見えるのは空と雲と駅舎ばかり。なのに、春の花がいっぱりになっているのが分かった。嬉しくなって、両手いっぱいのおみやげを持って電車に乗り込んだ。

 

主人の実家の姫路へは、よくひとりで遊びにいく。お母様とお父様と、それからキュートなシェットランドシープドッグのベルちゃんとお喋りするの。彼女はとても変わっていて、人がきらい。散歩がきらい。あんまり可愛いからつい撫でようとすると、じーっと嫌そうに固まるの。私は犬はみんなお喋りが好きで人や散歩が大好きなもの、と思っていたので彼女に会ったときは衝撃的だった。じーっと、ぐりぐりの大きな目で観察されるので、つい目を見てしまうと、それがいけない。人と目を合わすのが嫌みたい。心を許すのはお母様とお父様くらいで、そのときばかりはとろけるような顔で「好き、好き!」を表している。いいなあ・・・。犬が大好きな私と主人は、ぎゅ!とするのをひたすらがまんするの。時々、お母様に抱かせてもらうととっても嬉しいのに、ベルちゃんは震えたりする。

数日いると、2日目の晩あたりからそーっと出て来て、ときどき近くで寝てくれるときもある(でも、触ってはいけない)3日目あたりから、そーっと背中を触ってもいい。(ただし、嫌そうな顔をする。)初めて会ってからもう10年近いのに、会いにいくともう一回最初から、「やり直し」になってしまうの。。彼女はほとんど鳴かないし、美味しいものをたくさん食べているので毛並みはつやつや。動きは非常にゆっくりで、じーっとお母様を見つめていたり、ショールをかぶせてもらってじっと窓の外を向いているときなどは貴婦人のようなの。私はどこか畏敬をこめてしまう。

「ベルに会えるの、いいな。ごちそう、いいなあ・・」

「えへへ。ちゃんとごはん、食べててね」

お仕事の主人を置いて、ひとり本を読みながら新快速に乗りました。電車の中で、先日読みそびれた「E・T」を夢中になって読み終えた。とてもとても、面白かった。宇宙船がお迎えにきたところまで読んだときに、姫路駅についた。私にもお迎えがきている!!

私は車の機種が覚えられない人なのだけど(だってトラックやバスや、小さいものはすぐ分かるけれど、普通の車はみんな似ている。色が一緒だと、ほぼ同じに見えるの・・)何度も、ちがう車に乗り込もうとして真っ赤になってからは、車のナンバーで覚える事にした。お父様のナンバーと、実家の車のナンバーと、いつも乗せてもらう友人のナンバーは、ちゃんと覚えている。・・見つけた!!

「元気か?すぐ分かった?」

「はい、元気!お父様はお変わりありませんか?」

主人と一緒のときは歩いて帰るから、もう道は一応分かるのだけど、「そんなことはいけない」と言う。車に轢かれたら大変、とか、穴に落ちたら大変、とかいう。

「穴!!」

「そうや。いつ何どき何がおきるかわからへん」

お父様は真面目な顔で言いきる。あんまりおかしいので帰って主人に言いつけたら、だってお母様はときどき穴に落ちるような人じゃないか、という。確かにそうね。。

 

今回は先日の個展の写真や、久しぶりに会ったお友達のことや、お土産話がいっぱいだった。電話やメールもするけれど、やっぱりお顔を見ると安心するし楽しい。このお家はどこも綺麗に整っていて、清潔な風が通っている。写真を見たり、一緒にジャムを作ってもらったり、花を植え替えをしたり料理をしたり散歩をしたり、いつも通り何やかんやしているとあっという間に夜になって、ご飯を食べた。お父様もお母様もあまりに主人にそっくりで、間違って主人の呼び名をお母様に呼んでしまったりする。一緒にころんでテレビをみながら苺をつまんでお喋りしていたら、突然、睡眠爆弾が爆発した。いくらなんでも寝てはいけない、と我慢していたけれど、ぐらぐらして、気が付いたら寝てしまっていた。

はっと気が付いたら、何も変わらない風景で、私は毛布をきていた。たいへんだ。お母様が振り返る。

「起きた?」

「うん。ごめんなさい、寝ちゃった・・」

真っ赤になっていうと、お母様は笑って、「さ、ケーキでも食べよ!ちょっと取ってきて」とお父様に言ってコーヒーを淹れに立ち上がった。お父様は「寝といてもええで」と笑って、冷蔵庫にケーキをとりにいってくれた。起きなくちゃ。。あれ、ベルちゃんがいない・・・。振り返ったら、私と同じかっこうの彼女がいた。あんまり可愛くてつい写真を撮ったら、「なあに」と目をあけてしまった。それからみんなで、ケーキを頂きました。もちろんベルちゃんもいっしょに!

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