読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

夜の六角堂

これは、金曜の夜のこと。お仕事が終わって、主人と友人との待ち合わせの場所にゆっくり向かっていました。月が柔らかくぼけているのを追うようにして歩いていたら、通りの向こうに何やら人が集まっている。(何かしら・・・)いつもなら人ごみは避けるのだけど、静かだし、それなのにすこし浮き立つような気がする。(何か行事をしているのかな。。)独特の気配に誘われて、六角堂の門の前に立ちました。

f:id:rumir:20140411205500j:plain

(わぁ・・!)

思わずうっとりしていると、門番のお兄さんと目が合いました。

「こんばんは」

「こんばんは」

「夜の特別拝観を開催してるんです。良かったら、見ていかれませんか?」

「・・!!入ってもいいんですか?」

「もちろんです。無料です。でも、9時までですので、それだけ気を付けて下さい」

感じのいい方でした。どうもありがとう、とお礼を言って時計を見るとあと15分でした。たいへん。おじゃまします、と心の中でご挨拶して門をくぐりました。

 

お隣の池坊さんの大きな生け花が、六角堂のあちらこちらに置かれていました。それでかしら、見に来られている方も素敵なおばさまばかりでした。つい先月、聖徳太子のお話を読んだばかりだったので(この六角堂は聖徳太子が建てたお寺、遣唐使でがんばった小野妹子が発祥の生け花もここで生まれたそうなのです)より新鮮な気持ちがしました。名前のとおり六角の御堂をぐるりと回ります。足元を可愛らしい小さな灯篭が照らしていました。

 静かな宵、花が光に照らされて、音の無いお祭りのようです。華やいだおしゃべりがさざ波のようにあたりに揺れています。

 

六角堂に初めて来たときのことを、思い出しました。引っ越してくる前の一昨年の春で、入ってもいいのか良くわからなくて、門の外からうっとり眺めていました。去年の初夏、初めて地元の年配の方に連れてきて頂いて、昔はここで野球をしたんだとか、鐘が昔はここにあったんだよとか、色んな話をお聞きしました。それで入ってもいいんだという気分になってからは、ときどき来ては池の白鳥をながめたり、夕暮れどきに鳩を見たり、風が緑の柳の中を遊ぶようにくぐる音を聞いたりしていました。けれども今夜は、ちょっと違って、まるでパーティの端っこに呼んで頂いたような気持ちになりました。

f:id:rumir:20140411205200j:plain

f:id:rumir:20140411205100j:plain

いつもは夕方で閉まってしまうから、夜の六角堂は初めてでした。風のない春の夜、人もいるし話し声もあるのに、それがなぜか遠くで聞こえる。まるで海の底のようでした。私のおもちゃのような携帯電話のカメラはシャッターを押すとチャイムのような音が鳴るので、どきどきしながら4枚だけ、写真をとりました。

f:id:rumir:20140411205300j:plain