ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

あらしの日に

外では風がうなりをあげている。完全にしめてしまっては息苦しいから、ほんのちょっと、開けた窓の隙間から鋭い風がカーテンを高くめくり上げる。窓ぎわでは、避難させた花たちが並んで、ちょっと温室みたいなの。

台風で急きょ、お休みができた。ひととおりの連絡が済んだら、警報で真っ赤に塗られた地図を消して、ラジオを切った。そうしたら益々雨と、風の音がよく聞こえる。以前に映画の効果音をつくる人が、豆を大きな大きな入れものにいれて右に左に揺らすと「波の音」を、うちわにでんでん太鼓のように軽い乾いた何かをつけて回すと「雨の音」を作れるというのを聞いて、ほんとだ!そっくり!!とびっくりしたことがある。それみたいに、まるで嘘みたいな雨風だった。窓の外で、誰かが何かお道具で「完ぺきな雨」を作っているような。

こんな日に読む絵本を、私は知っている。

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「あらしのひ」(The Storm book)

シャーロット・ゾロトワ 作

マーガレット・グラハム 絵

まつい るりこ 訳  

ほるぷ出版(1995年)

 

ゾロトワは、大好きな作家だ。彼女の本はかなりの数持っているのだけど、そうと知らずにいつの間にか集まって、「これもゾロトワ!」とびっくりする事が多いの。彼女のどんなところが好きかというと、人と人の距離が好き。兄弟や姉妹をモチーフにした作品が多いのだけど、特に妹や弟側の視点から書かれることが多い彼女の作品は、とても細やかで密な気配がする。この絵本は「どろんこハリー」で有名なグラハムが描いていて、ポスターのようなハリーの絵とは画風を変えて、一枚一枚がさらっとしていて粋な水彩画でできている。(アメリカ人だと思うけれど何だか絵がサヴィニャックに似ているところもあるし、フランスっぽい・・と思ったらカナダの方だった。なるほど!)

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表紙をあけて、この見開きがいいの。じーっと見ちゃう。

台風が来る前の、少し重たい湿った風や、びゅん!と黒いうなり声をあげてぶつかってくる風の生あたたかさが伝わってくる。それにつられてページをめくるの。

本は、文章だけのページと、絵だけのページで作られている。紙芝居のように絵だけを追ってもわかるし、少しお姉さんなら勿論、詩のような文章を味わうこともできます。

 

暑い夏の日、男の子が野原でのんびり花や虫を眺めていると、突然あらしになります。雷、強い風。外で激しさを増していく風景と、家のなかの安全なかんじ。少し息をつめて「お母さん、あれ、なに?」という男の子のどこか張っている状態と、お母さんとの独特な時間。

私がつい笑ってしまうのは、ここ。

「ピカっと空が光って、山の向こうからgreat rollongな、rrrrrrrrrrmmmmmmmmmDDDDDDDDRRRRRR RR  R   R   R    Rなthunder(雷)がきました。男の子は、「母さん、これ、なに!!」と叫びました。」

私だったら何て読むかなあ!!日本語訳はどうなってるんだろう。。

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この絵本の最後は、すうっと澄んで淡い空に虹がかかる。この絵本を読むと、どこまでも終わらないような嵐も、考えただけでうんざりなびしょぬれの状態も、ちょっと悲しいことも、ひとつひとつ時間と一緒に過ぎ去っていくことを想像できる気がするの。

雨風、早く過ぎていかないかな。でも、予定外のお休みって、うれしい。。紅茶いれよ。。。