読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

一日の過ごし方

おうちで

少し生温かい風が吹いていた。砂埃が舞う中で、私と友人は分厚い布を頭からすっぽりかぶっている。周到に準備は出来ていた。隙をみて足早に柵へと向かい、飛び越える。そこには約束通り、おんぼろのバスが待っていた。主人と友人が既に乗っている。「私はあっちのバンに乗るね、あとでね!」小声でささやいて、友人の背中はみるみる遠ざかった。少しだけ見送って、急いで乗り込む。見張りが来ないうちに、遠くまで行かなくてはいけないもの。

「それから、一人ぼっちになった色鉛筆たちが反乱を起こしたり、ぬいぐるみの町があって、見かけはすっごく可愛いしフワフワなのだけど、でも中身は綿じゃなくて鉱石だから、ぎゅっとすると硬いのよね。」

「・・・もう、いい?」

「ううん。それから、バスとレンタルビデオ屋さんが提携を結んで、バスの中に本やビデオの棚がずらりと出来てるのね。でも満員のときには人をよけて見なくちゃいけないから選びにくいし、降りるときに乗車料金とレンタルのお金を一緒に払うのだけど、運転手さんが大変なの。それでバスが時刻通りに来なくなっちゃうわけ。」

「ふーん。。」

「でも一番の問題は、借りたビデオを、そのバスに返さなくちゃいけないのだけど、どのバスが借りたバスか、ちゃんとそれに当たるのが難しいのよ。一体、どうしたらいいのかしら。。」

「さあ」

呆れた顔の主人が淹れてくれたカフェオレを飲みながら、私はまだバスに揺られている気がしていた。夢の中ではあんなに壮大な物語が広がって、ちゃんと、つじつまが合っていたり、出会いも別れもあって、感動的だったりする。ちゃんと見たし、実際に経験したのに、いつもいつも起きたらそれが無かったことになってしまうのが実に残念だ。それを主人に伝えると、

「24時間のうち、その時間、実際に君はその中にいたんだからいいじゃない」

という。

「・・・なるほど。」

「どこで、何をしてどう過ごすかは自分次第なんだから。夢のなかにいようが、料理をしていようが。本当に緊張したり、興奮したり感動したりするでしょ?泣いたりするでしょ?それって、実際に経験したことになるんじゃないの。じゃあいいじゃない。今日の思い出にいれといたら。」

・・・そうか、と思った。それを聞いて、もう一度夢のなかに潜りたくなったけれど、宅配便が届いたり、ラジオで好きな音楽が流れてきたりして、気がついたら1日が始まっていた。

 

そのあと片付けものをしたり、絵を描いたり、ちょっとお仕事をしたりしたけれど、途中ふ、ふ、と「今は私は、洗濯物を干しているのね」とか、「夕陽が窓ガラスにピカピカしているのを見ている」とか、考えたりした。なかなか気持ちがいい一日でした。

f:id:rumir:20141007160000j:plain