読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

白い月

お出かけ

夕暮れ、自転車に乗って仕事に向かうと、妙に空が輝いていた。樹々の影がくっきり見えて、マグリットの絵の中みたいだ、と思いながらシャッターをきった。

f:id:rumir:20141008171800j:plain

「何を撮ってるの?」

突然後ろから声をかけられて、飛び上がりそうにびっくりした。ふりむくと、散歩の最中らしい、帽子をかぶったおじいさんだった。

「あの、空がきれいで」

「ああ、空」

にこ、と笑った顔を見てほっとした。

「今日は、皆既月食やで。」

そうだ、確か主人もそう言っていた。「楽しみですね」と会話を交わして、別れた。思い出して、どうしてあんなに驚くものかしら。悪いことをしたわけじゃないのにと、ついおかしくなりながら駅へと急いだ。

 

電車に乗って、目的地に降りたらもう日は沈んでいた。空き地で大きなカメラを持ってしゃがんでいる人を見た。彼の背中越しに、まるい月が見えた。じゃまをしてはいけないと思って、少し離れたところで夜空にカメラを向けた。仕事場の窓から月食、見られるかな。生まれたばかりの月はどこか柔らかそうで、少し黄色みをおびていた。

f:id:rumir:20141008180300j:plain

仕事を終えて、電話で母と久しぶりに話しながら駅へと向かい、地下鉄に乗って自分の駅まで帰る。自転車を押しながら地上に出たら、月明かりが眩しくて驚いた。

f:id:rumir:20141008215200j:plain

月の光が矢のように広がって、白い月は磨かれたように美しかった。結局、皆既月食は見られなかったけれど、今日は色んな人が空をこうして眺めたのかなと思ったら、少し温かい気持ちになりました。