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ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

のび太

その他いろいろ

美味しい晩ご飯を食べても、楽しい音楽を聞いても、気が晴れない。

夜になって、ずっくんずっくん熱を帯びてきた。

歯医者さんにいった帰りから、歯がずきずきしていた。

背中を丸めてしょげていたら「どうして、薬をもらってこなかったの?」と、主人が言った。

「だって、きらいなの」

「でも、痛み止めはもらってくればよかったのに」

眉間に力がはいる。薬は苦手。粉のは飲めないし、錠剤のかたちをしていても、油断はできない。たとえ丸いかたちをしていても、溶けやすくて苦い味が口中に広がるものは背筋がぞわーっとする。だからそのときも、歯医者さんで先生に「痛み止め出しますか」と言われても、堂々と(誇らしげに)「大丈夫です」と断った。

左頬が熱い。だんだん気分が重たくなってきた。

「明日になったら、治ってるかもしれない」

そう思って布団に潜りこんだ。(治るかな、治るだろう。眠りは私にとって一番のお薬にちがいない)とか思いながら。

 

 「わあ。それはすごいね」

起きたら、たいへんなことになっていた。

もう起きて、仕事をしていた主人の目がまるくなった 。頬をさわったら、目のあたりまでぶよぶよと腫れている。

「痛い」

「歯医者さんに連絡しなさい」

「予約はちょっと先なの」

「これはいかないとだめだよ」

口の中が痛くて、もごもごと話しづらかった。夕方から仕事があるし、主人もそういうので、あわてて歯医者さんにいくことになった。いますぐ来られますかと言ってもらったけれど、私は起きたてほやほやで、とても外に出られる状態じゃなかった。「ごめんなさい、まだ何も支度ができていなくて、一番はやくて30分後なのですが」というと予約がとれた。もう昼前だったから、ちょっとはずかしかった。

「歯医者さんにいくことになった」

「よかったね」

「うーん・・・」

うなづいてから鏡を見ると、今までにないくらい腫れている。通常の側に比べると、2倍ちかく膨らんで、それがまた心臓が動くごとにズキズキ痛むの。

「面白い顔になってる」

のび太くんみたいだよ」

思わずおかしくて笑ったけれど、口が重たくてうまく笑えなかった。

 

歯医者さんにいって、治療を受けて、今度は薬をちゃんともらって帰ってきた。切ったり穴をあけたり色々で、その日から2日間は運動禁止の安静と言われた。それでお仕事を休まなくてはいけなくて、とてもとても申し訳なかった。その上薬を飲んで寝なくちゃいけない、となるとたいそうな病人になった気がして、スイッチを切ったようにぐったりしてしまった。

 

とっても綺麗な歯をした年下の友人がいる。彼女の歯はハーモニカみたいにずらっと並んで、ピカピカとしている。なかなか歯医者さんから「治療おわり!もう大丈夫ですよ」と言われたことのない私には羨ましいかぎりなのだけど、(治療がひととおり終わったら、果たしてそんなことになるのかしら。延々と予約をいれて、あまりにそれが嫌になって途中で逃亡することが続いているの。。)その友人は虫歯のことを話していたら、不思議そうな顔をする。

「どうして、歯は硬いのに痛いんだろうなぁって不思議です」

彼女は虫歯になったことがない。

私がのび太くんのほっぺになったというのに。