ruru on the roof

大好きな絵と絵本と、日々のこと・・

だめ人間

年が明けてちょっと経ったけれど、私はまだぐにゃぐにゃしていたい。年末にいつも通りの高熱を出した後は、年賀状、おせち、ごあいさつ、とキビキビしていたはずなのに、何だかちょっと作業をしたら、ころん、と転びたくなってしまう。

「だめだ。だめ人間になっちゃう。」

私がお茶を淹れてはボゥっとし、洗いものをしては途中で窓の外をみて手がとまったり、はてまた何をしようとしていたか忘れて、力つきて廊下で横になっていたりするのを見て、主人が笑いながら言った。

「いいじゃない。ゆっくりしなよ。」

「でも、ちょっと、かなり役ただずなの。」

「だって、先週はまだ去年だったんだよ。きみは12月に予定をいつも通りぎゅうぎゅうに詰め込んだでしょ。今ごろ疲れが出たんだよ。」

そんないい話にのっていいのだろうか。と思いながらも、そうだ先週はまだ大晦日だったな、とちょっと納得した。気がついたら2016年が始まっていた。気分はリセットしたつもりだけど、体はそういえば、きのうの、それからその前の続きがゆっくりと繋がっているのね。

「今日、魚屋さんに行こうと思ってたけど、やっぱり無理かもしれない。」

「今度にしなよ。一日二日、どうとでもなるよ」

それでゆっくり支度をして(本を出したりしまったり、お財布を3べんくらい確認したり、持って行く飴をどれにしようか迷ったり、いつもの倍くらいかかってしまった)、日溜まりのなかをのんびり出発した。

 

そんな調子だから、知り合いの小さい子と話していて、去年出したクイズの答えを聞かれたのだけど、すっかり忘れてしまって答えられなかった。

「ごめんね、お休みのあいだに脳みそが溶けちゃって、忘れちゃった。つぎまでに考えてくるから待っててくれる?」

と申し訳なく思いながらも正直に伝えたら、

「そりゃ大変だ」

と彼は目を丸くして言った。その顔が面白くて

「どうして?」

と聞いたら、

「脳みそが溶けるなんて、大変やんか。どしたら治るん」

と言う。その言いかたがあまりに可愛くて、また心配かけて悪いことをした、と思ったので

「大丈夫、もうちょっとぐにゃぐにゃしてたら治るから。だってほら、寒いでしょ。そのうち固まるわよ」

と、ぎゅうしながら伝えると、

「せやな。それならええけど。。」

と笑っていた。

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帰り道、外は思ったよりずっと暖かかった。濃い灰色の闇に白い花がぼわ、と光る。開きすぎた椿の熟れたような甘い香りがあたりに広がった。(こんなに暖かいなら、私の溶けたあたまもしばらく固まらなくても仕方ないわ・・)そんなことを思いながら、駅へと向かった。こうしてゆっくり一年がはじまるのも、なかなかいいものかもしれない。