魅惑の骨せんべい

「あれ、美味しそうだね」 お仕事の帰り道、主人がお店の前に並べられた何かに目を止めました。これは極めて珍しいこと。私はもちろん嬉しくて、ものを見るより先に 「なあに?買いましょう、買いましょう」 と言いました。 普段、あまりものを欲しいと言わ…

虫!!

最近、きれいなトンボが飛んでいる。銅色の羽に、薄い水色や碧色の体。すー、っと空中に短い直線を引きながら進んでるみたい。 お花に水をあげると、ひらひらの花びらの陰から、ちょうちょが出てくる。柔らかな黄色の花から同じ色のちょうちょだったりすると…

すいかとクラゲとタケコプター

お仕事が、またしばらくお休みになりました。それで、もうひとつの方のお仕事に集中して一段落させて、投函がてら出掛けることにしました。 今日は一日雨の予定。傘ごしの雨音を聞きながらゆっくり歩きます。シャーっと時おり走る車のタイヤが滑る音がくすぐ…

立ちつくすロバ

ロバのお話を書いているの。それで、少し前のことだけど、動物園にロバに会いに行くことにしました。 動物園は、思いのほか空いていて穏やかな時間が流れていました。小さな子供や、それから年輩の方たちがトラや猿を夢中で見ていました。 動物園には独特の…

エアトランプ

ちょっと前のこと。たまたまつけたテレビでトランプゲームをしていました。ババヌキみたいなもので、ステーキ、とかトンカツとか、美味しそうなものをカードに書いて引き合って、ペアになったらそれが食べられる。 私はその時おなかが空いていたので、カード…

冷蔵庫をあけたらなんにもない。仕方なくお買いものにでることにしました。出不精な私は、ついでにこれも、あれも、と用事をまとめてかばんに詰めました。 日傘をさして、外に出たら、晴れているのにさあーっと雨が降ってきました。久しぶりの天気雨だわ、と…

小さな親切

主人が風邪をひいて、数日食欲がないの。私にしては早起きをしてすぐ、帽子にサンダル、かばんをかけて、ごみ捨てに出てそのまま、買い出しにいくことにしました。こういうとき買うものは決まっているので、ちょうど無くなりそうな牛乳と、ヨーグルトやゼリ…

りんごジュースは湯ぶねの中で

絵をたくさんたくさん描いた夕方、疲れてぐにゃぐにゃしている私をみていた主人が、 「きみ、早いけどお風呂に入っておいでよ」 と言いました。そうか、と思ってお風呂をいれたけれど、いざ入るときになってどうにも嫌になってきました。 「うぅ、、めんどく…

眩しい水の底では

雨上がりの空は眩しく晴れて、空気もすっきり磨かれているみたい。木洩れ日の輪郭までくっきりとしている気がします。とっても気持ちよくて、でもすべてを受け入れたら、なんだかクラクラしてしまう。 こういう日は、目を開けるのをちょっとだけにしたら、半…

最後のいちご

一番好きな食べ物は、いちご。2歳の誕生日にすでに夢中で頂いてる写真が残っている。でもミルクでびちょびちょにしたり、ゼリーで固めたりしたのじゃなくて、そのままが美しい。ずらりと並べて、ぱくぱく食べ続けても全然飽きない。この季節はがまんが難し…

春の色

京都市でも北のほうにある、私たちのお庭にも春がきました。 今年は暖かくなるのが早かったから、いつもは近くの田んぼに水がはるころ会える花ももう咲いて、色でいっぱいです。 「庭がお花でいっぱいだね」 主人がにこにこ見ているのをみると、とても嬉しく…

夢のような桜散歩

いつの間にか、三年半がたっていました。庭の木の背丈はゆうに二階の屋根をはるか越え、30羽を超える雀のアパートになっていたので、友だちの庭師さんに思いきり剪定して頂くことにしました。その切られた葉っぱや枝はこんもりと立派な丘のようで、すっき…

壁の向こう

鍵がない!!と気づいたのは、くたくたになり家に着いた瞬間のことでした。玄関前に、トイレットペーパーや牛乳やパンを置いてリュックの中を探す。 (えー!!まさか!) 一瞬で背中に汗をかき、ドキドキしながらひとつひとつ荷物を取りだし、必死で記憶をた…

なんということでしょう!

1ヶ月半ぶりにテレビとパソコンがつきました。昨年の秋、比叡山の麓の築60年のすきま風だらけの小さなお家と出会って、3月末にお引っ越しすることになりました。もともとの家から近くて、アトリエがあってピアノが弾けて、お庭があるおうち。いつか見つ…

一束の花だけを持って

バスが来るまで、あと10分あった。眩しかったから時刻表の陰に入って読みかけの本を広げる。風が少し強かった。 ふ、と人影がして顔を向けると、お花を抱えたおばあさんがいた。 「すみません。バスの時間を見てほしいんやけど」 「はい。いまは2時だから…」…

不思議な人たち

注文頂いていた絵を届けて、次のお仕事へ向かう。堀川御池から、ぐるっと四条河原町まで時間があったので歩くことにした。昨日は雪が降ったけれど今日の夕暮れは少しだけ春の気配がして背中にちょっと汗をかいた。いつもと違う道は少しドキドキした。 横断歩…

夕方から降り出した雪がうっすら辺りを包んでいました。 「月がピカピカよ」 主人を呼ぶ。 「雪、明日もあるかな」 並んで小さな台所の窓から夜空を見上げる。白い雲のようで思わず写真を撮るけれど、きれいに写らない。主人が貸してみて、と夜景用に設定し…

目的達成

あっという間にぎりぎりの時間になっていた。(あと、5分のんびりしよう。それから、ゆっくり支度しよう)と思って布団にくるまったら、すぐ5分たってしまった。(・・あと、5分。。)それもみるみる過ぎた。もう羽毛布団と私は一体化して、引き剥がそう…

バスを待つあいだに

(ひゃー、、重たいな。。) お仕事帰り、八百屋さんに寄ったら思ったより大荷物になってしまって、よたよたバス停についた時にはくたくたでした。 (バス、10分後ね) 時間を確認して、荷物を置こうとしたら、バス停の足元に腰かけていた7才くらいの子供がふ…

秋の恵み

仕事から帰ってきたら、仲良しの従姉から梨が届いていました。さっそくお礼を言うと美味しいからおすそわけと軽やかな声が返ってきました。 その次の日「お芋を送りましたー!」と、仲良しの60代の友人からメールが届きました。驚いてお礼の返信をすると「…

雨の香り

お仕事とご用事で、数日東京にいました。台風と一緒の移動になるかしらとドキドキしていたけれど、電車が止まるとか、上から下までびちょびちょになるとか、悲しい目には合わずに済みました。でも、ほとんどずっと雨降りでした。 京都の雨は少し土の香りがす…

同時代ギャラリー

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9月に入って、三条御幸町の同時代ギャラリーで個展をしました。東京の仲良しに紹介してもらって京都で初めて入ったカフェがCafe Bibliotic Hello!で、こちらでも何度か展示をさせていただきましたが、初めて入ったギャラリーは同時代ギャラリーだったので、…

また、勝手に追い込まれて

いくつか台風が過ぎたら急に空気が秋に変わった。このあいだ田んぼが金色になったと思ったのにもう穫り入れられていた。日が落ちるのも随分早くなって、なんだか少しさみしい。そういえば、まだスイカを食べていないのに梨を食べてしまったし。これはいけな…

お囃子につられて

ようやく親知らずを抜いた頬の腫れがひきはじめました。仕事を終えてお囃子の聞こえてきた方向へ、ちょっとだけのぞきに行こうとした瞬間、大きなカメラを持ったおじいさまに話しかけられました。 「祇園祭は、どこでやっていますか」 これはよくある質問で…

二千年前のお薬

しばらく前から思い出してはうんざりしていました。主人と友人と期日前選挙に行ったときも、歯医者さんの前を通っては悲しくなり、中々噛みきれないお肉にズキンと奥が痛んではじっと頬を押さえたりしていたの。 私は暗示にかかりやすく痛みに弱い。きっと一…

ふりかえってみれば

はてなブログさんから、「2年前に書いたこの記事をふりかえりませんか」というお手紙が届きました。「へえ!」と思って開いたら、とても懐かしい。自転車について書いた文章でした。 rumir.hatenablog.com 自転車に乗るのは2年経った今でも下手なままで、…

バジルとイタリアンパセリ

お仕事が終わった帰り道、スーパーの前でおじさんが机の上に小さな鉢植えを並べていました。(もうじき閉まる時間なのに、残ってしまったのかな。。)そのつやつやした緑が可愛らしく揺れて、誰にも選ばれないでおじさんがまた箱に積むところを考えたら胸が…

雨上がり、ふたりに会いに

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これは風邪をひく直前のはなし。ルノワールとモネに会いに京都市立美術館にいきました。小さいころから父の影響で美術館に行くのが好きで、画集を眺めるのが大好きな私はすごい画家も、まるでどこか友だちのおじさんのような気がする。 「5月になったらモネ…

優しいストロベリーアイスクリーム

目をつぶると、ここひと月の間にみた絵や会った人や、桜がくるくると浮かぶのに、全部が夢のなかのような気がする。 「なんだか、ずっと寝てる気がする」 「いいじゃない。ゆっくりしなよ」 主人がお湯を湧かしてくれる。気がつくと、また夕方になっている。…

甘いジンジャーシロップ

今日はとっても素敵な女性と、優しい眼鏡の男性とブログのとこについてお話する機会がありました。そのなかで、下書きについて尋ねられて、 「たくさんあるの。書いている途中で、宅配が届いてワクワク包みを開き出してそれきり忘れてしまったり、本当のこと…