甘いジンジャーシロップ

今日はとっても素敵な女性と、優しい眼鏡の男性とブログのとこについてお話する機会がありました。そのなかで、下書きについて尋ねられて、 「たくさんあるの。書いている途中で、宅配が届いてワクワク包みを開き出してそれきり忘れてしまったり、本当のこと…

雪やどり

寒くてなかなかふとんから出たくない。目覚ましを瞬時に止めてから、また小さく丸まってじっと考えていた。 これは寒い。 ヒーターをパチパチつけて、気合いをいれて立ち上がりお湯を沸かす。息が白かった。 カーテンの隙間から、真っ白な景色が見える。 (…

やさしいライオンの子守唄

小さいときに読んでいた絵本の話を主人のお母様としていたら、 「うちにも一冊だけ、残ってるで。」 と言う。あとのは引越しで行方不明になってしまったけれど、一冊だけ残ってるそう。 「見たい!」 と言うと、奥の部屋から持ってきてくれた。主人の弟さん…

治療の日

これは昨日のこと。駅へ向かう道で、あら?と思ってはいたけれど、駐輪場にいれたときには、とうとうタイヤはべこべこになっていた。 (あーあ。。また空気抜けちゃった。。空気入れご自由にどうぞ、ってあったから、帰りに入れさせてもらおう) そう思って…

だめ人間

年が明けてちょっと経ったけれど、私はまだぐにゃぐにゃしていたい。年末にいつも通りの高熱を出した後は、年賀状、おせち、ごあいさつ、とキビキビしていたはずなのに、何だかちょっと作業をしたら、ころん、と転びたくなってしまう。 「だめだ。だめ人間に…

ばくだん!

いつもの棚に、見慣れない野菜がある。 (なんだろう!) お店は少し混んでいた。今日はちょっと荷物が多くて、じゃまにならないよう、他の野菜を見るふりをしながらゆっくりその野菜に近づく。 (爆弾だ!) 私は結婚するまで一人で野菜を買うことが無かっ…

結局、いつもどおり

角を曲がった瞬間、空が広がるこの道が好きで、毎日出掛けるとき(時間ぎりぎりでないときは)嬉しい。今朝は淡い水色に綿あめみたいな雲がかかっていた。足もとではコンクリートが金色に光っていた。田んぼに残った稲が雀みたいに丸まっていて、モネの積み…

クレイジーバブーシュ

秋の始めに母と雑貨やさんに行った時、ふわふわのスリッパを見つけた。わあ、かわいい。ちょうど昨年のものは大分くたびれてしまっていたし・・ともう買うつもりで選んでいたら、 「るる、スリッパはくの?」 という。母は私がきゅうくつなのが大嫌いで、小…

トマトジュースと秋桜

この季節、少し遠回りして秋桜の道を通って駅に向かう。小川沿いいっぱいに、私の背を超える高さに伸びた秋桜が、夕陽を浴びて柔かに揺れている。輪郭がきらきら金色に光るさまが綺麗で見とれてしまう。 私には定期的に読書の波がある。小さいころから本は大…

おじいさんと月

淡い青のグラデーションの空にオレンジ色の雲が光っていて、それをうっとり見ていたら歯医者さんに遅刻しそうになった。柔らかな風が吹く夕方だった。 私の自転車技術はちっとも上達しなくて、よろよろよろよろ進む。なぜか車が走る方に倒れてしまうので、で…

簡素なしくみ

「これは、本当に、いいものだねぇ」 私がにこにこ言うと、主人が笑う。 「また、しみじみ思い返してるの?」 そうなの、と答える。 わが家にはレンジがない。それでその代わりに、蒸し器で温めて、ささやかなトースターでパンを焼く。何にも機能が他につい…

風をつかまえた少年

今朝はなかなか起きられなかった。歯痛もようやく治って、お休みしたぶんの後処理もようやくすべて終わった。それできのうは京都駅の「ART×絵本」展を見に行ったり、気になっていたギャラリーの展示に行ったりした。どちらも昨日が最終日で、気がついたのが…

のび太

美味しい晩ご飯を食べても、楽しい音楽を聞いても、気が晴れない。 夜になって、ずっくんずっくん熱を帯びてきた。 歯医者さんにいった帰りから、歯がずきずきしていた。 背中を丸めてしょげていたら「どうして、薬をもらってこなかったの?」と、主人が言っ…

雨、風と、物静かな一日

風がゴウッと吹いて、カーテンが大きく舞い上がる。バタン、とどこかで大きな音が鳴った。雨が窓をバタバタと叩く。まだ暗い。時計を見ると4時20分だった。昨日は遅くまで旅の雑誌を見ていたから、眠ってちょっとしか立っていない。明日朝早いのにな・・…

私のなかの小さな森

ちょっと前から気付いていて、できるだけ見ないようにしていたのだけど、それでもそれはどんどん大きくなっていく。 うちのベランダは日当りがとてもよくて、痛い西日がビリビリ刺さる。今年の夏はとても暑くて、麻のカーテンで小さな陰を作ったけれど絵を描…

テトリスはつづく

ちょっと間があいてしまった。 3月に入ってから、自分が細胞分裂したみたいにたくさんやることがあったの。。確定申告もあったでしょ。お仕事もいろいろ立て込んだ上に、しかも数日前は携帯電話まで壊れて新しくすることになって、ややこしかった。やること…

どんぐり

近ごろ私の家に、どんぐりが集結している。 年末、主人が「きみが好きそうだから」と、お仕事帰りにトゲトゲの帽子をかぶったどんぐりを一粒おみやげにくれたのが始まりだった。 奈良にいった帰りに、丸くてスベスベしたどんぐりが気になって思わずポケット…

京都と東京のあいだ

最近東京での仕事が増えたので、新幹線に乗ることが多い。数日、東京で仕事をして戻ってくる。友人や両親は東京にいるから、合間に会えるのがとても嬉しい。京都に引っ越して、観光に来る仲良しも多くて、何だか近くに住んでいたときよりずっと、色んな人に…

遠い雪の日

駅を降りたら、細かい雨が降っていた。傘はないけれど、霧吹きで少し高いところから蒔いたくらいの雨だったから、気にせず歩いた。手袋をはめているし、足元は温かいブーツだから大丈夫。静かな年明けから始まって、穏やかな1年にしようと決めていたのに、…

床に映る雪景色

カタン、とポストがたてる音で目が覚めた。慌ただしく足音が遠ざかる。 意識がだんだんはっきりしてくる。まだ空気は冷たく澄んで、朝の気配がする。カーディガンを羽織って、静かにお湯を沸かす。台所の窓からのぞくと、薄く溶けるような青空から朝日がさし…

今年最後の喧噪

12月の記憶は色々ありすぎてあいまいだ。たしかどこかの木曜日に、吹雪になって一夜にして辺りが真っ白になった。そのころ熱を出してまた寝込んだのは覚えている。年末でお仕事もたてこんだ。それからは遅れていた300枚の年賀状だった。私は絵はいくら…

ソーセージパンにはカフェオレとケーキ

起きたら、海綿みたいに体が乾いてる気がした。眠りすぎたのだ。 ゆうべまで、色々なご用事でバタバタしていた。今回は京都に来て知り合った色んな作家さんと、それから昔から仲良しの東京の作家さんたちと、クリスマスの展示をしたりしていたの。色んな人に…

柿の中のスプーン

母から、柿が届く。父がお友達からお裾分けしてもらったみたいなの。 「たくさんあるから、送ったわ」 というので楽しみにしていた。 ところが、タイミングがあわなくて、なかなか受け取れない。溜まる不在票に、気が重くなった。確かにいたはずなのに、おか…

落ち葉ハラハラ

少し熱が下がった仕事帰り、思ったよりずっと暖かくて穏やかな午後でした。公園の横を通ったら、赤や黄色の落ち葉がハラハラハラハラ、後から後から零れている。まるで水道の蛇口をひねって水が流れるように、ずっと落ち葉は落ち続けるのに、木は裸にならな…

熱の反動

昔から、大きな行事が終わるとほとんど必ずといっていいほど熱を出す。だいたい行事の直前までに全力以上に根をつめるので、終わったあとに反動が来るの。 とくに今年は行事が実に多くて、予想以上に負担がかかっていたらしい。行事の直前に高熱を出し、その…

台湾のお茶

私はせっかちだ。でも、のんびりでもある。人に急かされるとゆっくりしたくなるし、どんどんやりたい事があるのに周りがゆっくりしていたら、引っ張って走り出したくなる。不思議なことに、これがお仕事のことだとどんな人のペースも全然気にならないのだけ…

晴れるかな、降るかな。

たいへんなことになった。11月になってしまった。 この間まで暑かったのに、寒い。でも寒いと思って厚着をしたら、汗ばむくらいだったりする。電車で移動をしていると、ウールのコートを抱えている人の隣でTシャツの人がビールを飲んでいたりする。 「ね、…

嵐の中の優しさ

昼になって、雨の勢いが強くなった。フォン、と鋭い音がして、カーテンが翻る。窓のほんの少しの隙間から、あんなにめくれるなんて凄い、と着替えの途中でぼうっと見ていたら アラームが鳴った。もう出なくては間に合わない。慌ててジャケットを羽織る。 「…

白い月

夕暮れ、自転車に乗って仕事に向かうと、妙に空が輝いていた。樹々の影がくっきり見えて、マグリットの絵の中みたいだ、と思いながらシャッターをきった。 「何を撮ってるの?」 突然後ろから声をかけられて、飛び上がりそうにびっくりした。ふりむくと、散…

一日の過ごし方

少し生温かい風が吹いていた。砂埃が舞う中で、私と友人は分厚い布を頭からすっぽりかぶっている。周到に準備は出来ていた。隙をみて足早に柵へと向かい、飛び越える。そこには約束通り、おんぼろのバスが待っていた。主人と友人が既に乗っている。「私はあ…