メイプルタウン物語
先日、幼なじみと、幼なじみのご主人さまと3人で夜ご飯を食べました。彼女は3歳からの仲良しで、いまはドイツのオーケストラでヴァイオリンを弾いているの。私たちはそれぞれ、生まれたところから遠く離れた憧れの町に住んでいて、早いうちに好きなことに出会って、それがそのまま職業になっている。それはまるで途中を駆けぬけているようで、気がついたらこんなところまで来てしまった、という気持ちになるときがあります。ふたりとも幼稚園のときと同じ顔をしているし、お互いの家族もとてもよく知っている。学校の先生や行事はもちろん、なんと見ていた大好きなテレビ番組も一緒だったということが判明して、とてもとても嬉しくなりました。
「メイプルタウン物語って、知ってる?大好きだったの。」
「!!!」
彼女の目がまんまるになって、
「もちろん!唯一好きで、ずーっと見ていたわ!!」
と言ったのでとても驚きました。なぜか、同学年の友人でこの物語を知っている人は今まで一人もいなくて、「シルバニアファミリーのこと?」と間違ったりするのです。。
彼女と話したあと、帰ってふと調べてみたら、あった!!懐かしい映像がそのまんまなの。パソコンって本当にすごいな、と思いました。
「北の国の原生林の中に、動物たちによる、動物たちのための小さな町があります。それがメイプルタウンです。
クマの雑貨屋さん、あらいグマのクリーニング店など素朴で暖かい家が立ち並ぶ街、メイプルタウン…。
そこに引っ越してきた郵便局ホープラビット家の次女、パティは少年クマのボビー、キツネのお嬢さんダイアナ、秀才犬の少年ジョニーらとすっかり仲良しに。
ときおりまぬけな悪党・狼のグレテルの起こす騒動に巻き込まれたりするけど、今日も元気一杯に楽しく過ごしています。」
東映アニメーションというサイトに、説明もちゃんと載っていました。すごい!
私はこの番組が好きで好きで、主人公のうさぎのパティになりきって、3歳の弟が生まれるときに
「弟だったらミックね。妹だったらアンにしてね」
とお願いしたほどでした。(本名ではありませんが、大人になった今でも彼の通称はミックです)日曜の朝、必ずぱっちり目をさまして(目覚まし時計もせずに!)メイプルタウン物語みたさに自分でテレビをつけて毎週見ていたなんて、とても不思議です。そのあと、今に至るまで毎回見たくて必ずみるテレビはまだ、ないのです。
パティの耳かざりがほしくて母のパールをねらったり、悪党のグレテルが憎たらしくて、グレテルの好物のマフィンを嫌い!と言ってみたり・・魔法にかかったみたいに夢中でした。こうして見返しても懐かしくて、やっぱり特別で大好きなお話でした。
京都での夏の夜はとろりと蜂蜜みたいに甘くとけて、彼女たちはドイツに帰っていきました。来年の約束をして、お互い元気でねとハグをして別れるときに、今までも何度も何度もこうして「またね」をしてきて、きっとこれからもこれが続くんだろうなと思ったら少し淋しい、でも幸せな気持ちでいっぱいになりました。。