最後のいちご

一番好きな食べ物は、いちご。2歳の誕生日にすでに夢中で頂いてる写真が残っている。でもミルクでびちょびちょにしたり、ゼリーで固めたりしたのじゃなくて、そのままが美しい。ずらりと並べて、ぱくぱく食べ続けても全然飽きない。この季節はがまんが難しい。

f:id:rumir:20210416165507j:plain

早春になって、スーパーマーケットの入り口に真っ赤に並びはじめると、もうワクワクしてつい買ってしまう。卵やお野菜は自転車のかごに一緒に入れるけど、いちごはつぶれたら悲しいから、ちゃんと肩からかけたカバンにいれて運ぶ。鍵と、お財布と、メモ帳と、いちごだけ入ったカバンはすてき。


「お腹が冷えるから、あまり一度に食べない方がいいよ」

主人が心配していう。

「お湯があるから、へいき」

「あんまり食べたら、またお腹が痛くなるよ」

「はあい」

一人でいちごを1パック食べたり、こっそりしゅわしゅわを飲んで、冷えてどうにも怠くお腹が痛くなることがよくある。そのたび主人は湯たんぽを用意してくれたり、カフェオレをいれてくれたりカイロを背中に貼ってくれたりする。

毛布にくるまり、お腹をさすっていたら少ししておさまる。そのたびに本当に反省するの。

一昨日、いちごを1パック食べてすぐまた、いやしく新しいのを買ってきました。しかも、そろそろ今年最後かなと思って、並んだなかでいちばん真っ赤で、甘そうなやつを選んで。

ところが。

「あら、きみ、またいちごを買ってきたの?でもこれ、下の方が腐りかけてるじゃない」

「え?」

傷んでる。。とっても楽しみにしていた今年最後のいちごが。。熟れたのを選んだのがよくなかったかな、、一つ前でやめとけばよかった。。
あーあと思いながら部屋で着替えて荷物を片付けていたら、台所からなにか作業する音が聞こえてきました。(なにしてるのかな)じっと聞き耳を立てていると、

「また、やらかして気配消してるね。まあ、自分でわかってるならまだましか。はい、いちご」

一粒づつ悪くなってるところをとってくれて、器に盛ってお湯と一緒に持ってきてくれました。
「・・・ありがと、ごめんなさい」

「少なくなってお腹痛くならないからよかったじゃない」

「うん。。」

なんでもほどほどにしよう。しつこいのはよくない。。またまた反省しました。少しづつ小さくなって器に入った、真っ赤でぴかびかのいちごは、いつもとまた違って、とても甘く、一粒づつよけいに美味しい気がしました。