小さな親切

主人が風邪をひいて、数日食欲がないの。私にしては早起きをしてすぐ、帽子にサンダル、かばんをかけて、ごみ捨てに出てそのまま、買い出しにいくことにしました。こういうとき買うものは決まっているので、ちょうど無くなりそうな牛乳と、ヨーグルトやゼリー、クリームパンなど食べられそうなものを、家からすぐのお店に買いに出ました。

心配だし、たくさんあったら食べたいものを気分に合わせて選べるかなと思ったら、かごが山盛りになってしまいました。


レジのおばさんは一人きり。前の方は、何かをチャージしたり何かを返品したりレシートをひろげてポイントが何だかとしたり、色々なことをして時間がうんとかかっています。背中ごしに、いったいぜんたい、色んな支払いがあるんだなぁ。と感心するほどでした。私ができるチャージはパスモだけ。難しいことは全然わからないから、ちょっと途方にくれた気持ちで棚に並んだおやつを眺めていました。


若いスーツを着た男の人が、並んだ私に気づかず直接レジのすぐ脇に立ったので、レジの店員さんに言われて私のうしろに並びました。手にはヨーグルトジュース一本だけを持っています。

私は山盛りなので気の毒になって、前の方が終わるのを見計らい、お先にどうぞと声をかけました。男の人は遠慮したけど、私は急いでないし、たくさんあるからと伝えると

「ありがとうございます!」

と笑顔でおじきをしてレジに向かいました。

それですぐに会計を済ませて、私が一歩出ようとしたら、振り返り、

「これ、使ってください」

「?」

何か券を出しています。見ると150円、って書いてある。

「千円以上じゃないと使えないから、良かったら」

「わぁ、どうもありがとう」

私は驚いて、券を受け取りました。男の人は爽やかに去っていき、私は朝からぽかぽかした気持ちでレジに向かいました。

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