エアトランプ

ちょっと前のこと。たまたまつけたテレビでトランプゲームをしていました。ババヌキみたいなもので、ステーキ、とかトンカツとか、美味しそうなものをカードに書いて引き合って、ペアになったらそれが食べられる。

私はその時おなかが空いていたので、カードを引けたらごちそうが食べられるというのをじーっと見ていました。それが印象的だったので、晩ごはんのあとにふと思い出して

「あれ、美味しそうだったよね」

と言いました。

「どれ?」

「ちょっと前、ほら、カードしてたでしょ。お肉とか、ババヌキしたら食べられるやつ」

「ああ、やってたね」

ずいぶん前のことじゃない、しかもごはん食べ終わったばかりなのにと主人は笑いました。

「ね、一緒にトランプやろうか」

私は何だか楽しくなって言うと、

「ふたりで?ババヌキ?」

主人は目を丸くして、それからにこっと笑いました。

「あれは揃ったらカード捨てるでしょ?それなら、最後のぶぶんだけでいいんじゃない?」

「最後のぶぶん?」

「君が、二枚、僕が三枚ね。一枚はババ。面倒くさいから本物のカードは要らないでしょ。どれがどれか頭の中で覚えててね」

「・・・!!分かった!」

そして向かい合って、透明のカードをきゃあきゃあ引き合いました。

私は見えないババを引いてしまって負けました。

「もう一回、やろ!」

「いいよ」

わくわくもう一勝負行い、、主人は言いました。

「もう一回?」

「・・・もう、いいや」

楽しいけど、一瞬で終わるし、いつまでもごちそうは出てこない。

「でもさ、これすごいね」

「楽しかった?なら良かった」

主人はコーヒーをいれに立ち上がりました。

「エアトランプ。すごいアイディアじゃない!」

「きっとエア将棋もできるよ。最後の部分だけくらいなら。」

・・・どこに何を置いたか一瞬で忘れる私にはちょっと難しいかな、、でもエアで遊べるいろいろがあるなんて素敵!と思って嬉しくなっていたら、主人は続けて言いました。

「自分一人だけのときはエアダーツも出来るよ」

「え!・・・やってるの?」

「うん」

それはすごい。。コーヒーを頂きながら主人が違ってみえました。

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